ペーパーフィルターの違いを知ればコーヒーはもっと美味しくなる!CAFEC 焙煎度別フィルター検証 ハンドドリップレシピ開発編

2020.09.17


コーヒー豆の焙煎度によって使い分けるペーパーフィルター・CAFEC 焙煎度別フィルター。紙の違いでコーヒーの味にそんなに違いが出るのだろうか。ということで検証してみましたが、たかが紙と侮るなかれ、結果は『違いアリ』でした。今回はその検証続編です。

前回の検証おさらい

前回、焙煎度別ペーパーフィルターについて、1種類のコーヒー豆を使って同じレシピで抽出、それぞれのフィルターの違いを確認しました。

CAFEC焙煎度別ペーパーフィルター

使用フィルター:
三洋産業CAFEC 焙煎度別ペーパーフィルター 3種類

使用豆:
コロンビア/エル・プラン
シトラスやアップル系の爽やかな酸味があり、グリーンアップルや洋ナシ、ハーブのような風味を持つ。滑らかな質感で、ビターキャラメルのような甘さが長く続く。

結果、同じ豆・同じレシピで淹れた場合でも、フィルターの違いによって出来上がりのコーヒーの味に違いが生じました。

▼前回の検証を見る
→ コーヒー豆の焙煎度に合わせて選ぶ!CAFEC 焙煎度別ペーパーフィルターを徹底検証!

フィルターに合わせたハンドドリップレシピを開発する

今回の検証では、各フィルターごとの特徴を把握した上で、それぞれの焙煎度合いのコーヒーを抽出。各々の専用レシピを開発していきたいと思います。

CAFEC 焙煎度別ペーパーフィルター

ロースター萩原コメント:
前回の検証で、フィルターごとに異なる表面のクレープ加工(表面の凸凹)によって、抽出途中のお湯の抜けるスピードが異なるということがわかっています。そこを考慮し、豆の特徴を最大限生かせるよう、チャレンジですね!

使用するコーヒー豆は、THE COFFEESHOPで発売中のラインナップの中から、焙煎度合いでセレクト。カッピングで捉えた個性を踏まえて、最適な抽出ポイントを探っていきます。

浅煎り用ペーパーフィルター用レシピ

CAFEC 浅煎り用ペーパーフィルター

まず検証するのは、浅煎り用ペーパーフィルター。3種類の中では、最もクレープ加工(表面の凸凹)が少なく、お湯の透過スピードが遅いフィルターです。

使用したコーヒー豆は『ルワンダ/レメラ・ナチュラル』。

焙煎度合いは浅煎り後半。アプリコットやのような明るいフレーバーがあり、アップル系の酸味、ブラウンシュガーのような甘さが印象的なコーヒーです。

検証の結果、完成した抽出レシピは以下の通り。

粉量:15g
挽き目:中挽き
湯量:230g
湯温:93℃

蒸らし:40秒 +30g
第2投:40秒~55秒 +60g
第3投:1分5秒~1分20秒 +70g
第4投:1分30秒~1分45秒 +70g
→ 2分~2分15秒あたりでお湯が落ち切ったら抽出完了。

一般的に焙煎の浅いコーヒー豆は、成分がお湯に溶け出しにくく、抽出不足になりがち。93℃と高い湯温で抽出することで、抽出前半に引き出せるフレーバーやアシディティをしっかりと取り出します。

完成したレシピで淹れたコーヒーは、ジューシーで活き活きとした果実味があり、『ルワンダ/レメラ・ナチュラル』の個性を明確に引き出すことができました。

ロースター萩原コメント:浅煎り用ペーパーフィルターはお湯の透過スピードが遅く、フィルター内で豆とお湯が触れる時間が長くなります。その特徴が、抽出の促進に貢献したものと考えられますね。

中深煎り用ペーパーフィルター用レシピ

CAFEC 中深煎り用ペーパーフィルター

次に検証するのは、中深煎り用ペーパーフィルター。3種類の中では、最も表面のクレープ加工が大きく、お湯の透過スピードが早いフィルターです。

使用するコーヒー豆は『ブラジル/セーハ・ダス・トレス・バハス』。

焙煎度合いは中煎り後半。チョコレートやナッツのような落ち着いた風味があり、滑らかな質感、キャラメルのような甘さ、ほのかにパッションフルーツのような酸味があります。

検証の結果、完成した抽出レシピは以下の通り。

粉量:15g
挽き目:中挽き
湯量:230g
湯温:88℃

蒸らし:40秒 +30g
第2投:40秒~50秒 +30g
第3投:1分00秒~1分10秒 +30g
第4投:1分20秒~1分30秒 +40g
第5投:1分40秒~1分50秒 +50g
第6投:2分00秒~2分10秒 +50g
→ 2分30秒~2分45秒あたりでお湯が落ち切ったら抽出完了。

中深煎りのコーヒー豆は、酸味や甘さ、苦味など、コーヒーのもつ複雑な風味を、バランス良くもっています。今回の完成レシピは、ナッツやキャラメルのような甘さが引き立ち、ブラジルコーヒーらしいバランスの良さを、そのまま出してあげるような抽出に設定しました。

ロースター萩原コメント:中深煎り用ペーパーフィルターは、お湯の透過スピードが早いため、この他にも探り甲斐がありそう。注ぎのレシピの組み立て次第で、コーヒーのどの特徴を引き出すのか、調節できるのが面白いですね。

深煎り用ペーパーフィルター用レシピ

CAFEC 深煎り用ペーパーフィルター

最後は、深煎り用ペーパーフィルター。3種類の中では中間の厚みです。抽出の前半はスムーズにお湯が抜け、後半は少しホールドするような透過スピードになっています。

使用するコーヒー豆はTHE COFFEESHOPのシグネチャーブレンド『ダークミックス』。

焙煎度合いは深煎り。ダークチョコレートやビターキャラメルのような印象で、しっかりとしたボディ感と甘さが特徴的。酸味は控えめなコーヒーです。

検証の結果、完成した抽出レシピは以下の通り。

粉量:14g
挽き目:中挽き
湯量:230g
湯温:85℃

蒸らし:40秒 +30g
第2投:40秒~50秒 +30g
第3投:1分00秒~1分10秒 +30g
第4投:1分20秒~1分30秒 +40g
第5投:1分40秒~1分50秒 +40g
第6投:2分00秒~2分10秒 +60g
→ 2分30秒~3分あたりでお湯が落ち切ったら抽出完了。

深煎り用フィルターがお湯をホールドしてくれる抽出後半に湯量を増やすことで、『ダークミックス』のボディ感をより明確に引き立てるレシピに設定しました。

ロースター萩原コメント:一般的に深煎りのコーヒー豆は、明るいフレーバーや酸味ではなく、しっかりした質感や甘さに特徴が出るもの。ハンドドリップの場合、抽出の後半にその質感に影響する成分が出てきますので、そこ着目して完成レシピとしました。また、湯温を低めに設定することで、過抽出を防ぎ、バランスを整えたのも大切なポイントです。

まとめ|フィルターの特徴を知ることでコーヒーはもっと美味しくなる

今回検証した3種類の焙煎度別ペーパーフィルターは、クレープ加工の強度によってお湯の透過スピードをコントロールするもの。それぞれのコーヒー豆の焙煎度合いにあった抽出を、サポートしてくれる便利な商品です。

そのため、同じレシピを使って抽出しても、フィルターごとに違う特徴のコーヒーが抽出できますから、これだけでも十分に使うメリットはあるかと思います。

今回の検証では、さらに楽しむための追加施策ということで、それぞれのフィルター適した抽出レシピを設定。より明確にコーヒー豆ごとの個性を引き出すことができました。

スペシャルティコーヒーには、産地や生産処理、焙煎度合いなどの違いによって、多種多様な風味をもった個性豊かなコーヒーがたくさんあります。それぞれの個性にあった抽出をすることで、スペシャルティコーヒーのユニークな世界を、より奥深く楽しむことができますね!

焙煎度別ペーパーフィルター|商品のご案内

CAFEC 焙煎度別ペーパーフィルター

今回の検証、非常に面白かったので、みなさまにもぜひ味わっていただきたい!ということで、焙煎度別ペーパーフィルターとコーヒー豆のセットを発売したいと思います!

▼浅煎りコーヒー豆と、浅煎り用ペーパーフィルターのセット
→ LIGHT ROAST SET

▼中深煎りコーヒー豆と、中深煎り用ペーパーフィルターのセット
→ MEDIUM DARK ROAST SET

▼深煎りコーヒー豆と、深煎り用ペーパーフィルターのセット
→ DARK ROAST SET

3種類のペーパーフィルターごとに、そのときのTHE COFFEESHOPのラインナップの中から最適なコーヒー豆をセレクト。
専用レシピとともに、ぜひご自宅でお試しください!


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