コーヒー豆買付カッピング|グァテマラ・エルサルバドル買付旅行記【vol.4】byロースター萩原

2023.04.29


3月18日から10日間、TYPICA Labのメンバーとして、グァテマラ・エルサルバドルにコーヒー豆の買付に行ってきました。
4日目はGuatemala CityにあるPrimaveraのオフィスにて、コーヒー豆の買付カッピング。

Guatemla滞在4日目。Antigua街並みツアー

この日はまず、Nadineの手配してくれた観光ガイドの案内で、グァテマラの古都Antiguaについてツアーを回った。
スペイン統治下に作られた石畳の街並みは趣があって、中米の一大観光地というのも頷ける。特に街の中心に位置する教会の遺跡はかなりの見応えで、パワーを感じるスポットだった。

コーヒー豆買付カッピング|グァテマラ・エルサルバドル買付旅行記【vol.4】byロースター萩原

ツアーは2時間の予定だったが、工程の最後にはしっかりお土産を買わされそうになるお約束も込みで、たっぷり30分ほど押して終了。急いでホテルに戻ってマイクロバスに荷物を積み込み、Guatemala CityにあるPrimaveraのオフィスへ向かう。

Primaveraのカッピングルーム

渋滞の心配をよそにスムーズに車は進み、Guatemala City着いたのは12時ごろ。市街地の中にあるPrimaveraのオフィスはきちんと整理されていて、とても気持ちの良い場所だった。1階は彼らの運営するロースタリーカフェになっていて、2階がオフィスとカッピングルームになっている。

コーヒー豆買付カッピング|グァテマラ・エルサルバドル買付旅行記【vol.4】byロースター萩原

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カッピングルームの壁には大きなコルクボードがあり、Primaveraと取引のある世界中のロースターの豆袋が貼り付けられていた。VERVEやBARNなど有名なロースターの袋も多く、Primaveraがヨーロッパを中心に支持を集めているのが伺える。その中には今回のTYPICA LabメンバーであるFIVECOFFEE梅澤さんの袋もしっかり飾ってあった。

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カッピングルームの脇にはロースト作業をする小部屋があり、PROBATのサンプルロースターが2台並んでいた。そこでは2人のPremaveraスタッフがテキパキと作業をしていた。

昨日まで巡ってきた農園のロットも含めてカッピング

この日用意してくれたサンプルは全部で24ロット。価格と品質のバランスに優れたボリュームロットから、希少性の高いスペシャルロットまで、幅広いラインナップが並ぶ。

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もちろん昨日訪れたLa Colina農園・Antonioのコーヒーや、Primaveraのドライミルで出会ったFredyのコーヒーもあった。この中から実際に買い付け、自分たちのお店で取り扱うコーヒーを選んでいく。

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まず最初に目に留まったのは、小規模生産者Angerina Mendesのロット。THE COFFEESHOPで昨年も取り扱った生産者で、実は今回の旅にも持参していたコーヒーだ。特に質感が素晴らしく、とろみのあるThickな口当たりは今年のラインナップの中でも特に際立っていた。

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そしてLa Colina・AntonioのPacamaraも実に素晴らしかった。甘くてフローラルで、アップルのような明確なアシディティ。Pacamaraらしい明るい風味と、グァテマラらしい甘さ、丁寧な処理によるであろう素晴らしいクリーンカップが感じられた。

昨日、なぜAnaerobicをやらないのかという質問に対して、Washedを飲めばわかるよ、と言っていた意味がよく分かった。カップクオリティだけで説得力を持たせられるなんて、改めてなんて格好良いんだろうと思った。

対して、ドライミルで出会ったFredyのPacamara Naturalは、かなり強気な価格設定だったのが印象的だった。なぜこんなに高いのか?とNadineに質問すると、もちろんコーヒーの品質に対する評価もあるが、それ以上にPacamaraを栽培すること、Naturalで精製することのリスクに対する価格だ、という説明があった。

確かに、NaturalはWashedに比べて乾燥工程で雨が降るとダメージがあったり、Washedよりも選別にかかる工程が少ないために、より丁寧なハンドピックが必要になる。それゆえに手間もかかるし、クリーンなNaturalを作ってくれる生産者に対するリスペクトがあるのも納得できる。

これまでスペシャルティコーヒーの値付け=カップスコアに比例する、という認識が強かったが、そういう側面での価格の付け方がある、ということが非常に勉強になった。これは産地に来て話を聞いてみないと実感できないことだったかもしれない。

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カッピングやNadineによる説明を経て、ここでは全部で4つのロットをオファーさせてもらった。あとから他のLabメンバーと話をしたら、FINETIME近藤さんやOBROS COFFEE荻野さんなど、いくつか同じロットを気に入っていたことがわかった。やっぱりみんなああいうのが好きだよね、と好みを共有できたことが嬉しかった。実際に日本に届くのは予定では6月~7月ごろになるということで、いまから焙煎するのがとても楽しみだ。

Primaveraのカフェで昼食

カッピングのあとは1階のカフェでエスプレッソを淹れてもらった。先ほどのカッピングで並んでいた豆を使っているという。思っていたより濃度低めなモダンな抽出で美味しかった。Nadineが頼んでおいてくれたピザを昼食に食べた(これもとても美味しかった!)。

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グァテマラの旅をアテンドしてくれたNadine

グァテマラをアテンドしてくれたNadineとはここでお別れ。小柄で華奢ながら、パワフルでカリスマ性を感じさせる人だった。説明にはとても説得力があったし、聡明でどんな質問にもクリティカルな応えをくれる。彼女の話からは、グアテマラという国とコーヒー生産者に対するリスペクト、愛をひしひしと感じることができた。いつかもっと実力をつけてまた彼女に会いに来たいなと思った。

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ここからはEl Salvadorへ

またマイクロバスに荷物を積み込んで、ここから陸路でEl Salvadorへ向かう。この工程がとっっっても大変で、予定では4時間半のところ結局9時間半くらいかかり、Metapanの宿に到着したのは深夜0時ごろになってしまった。そのときは大変だったが、Labメンバーと思い出しては笑える良い思い出になったと思う。

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Guatemara出国手続きのカウンター

道中、到着が遅れたことを心配して、El Salvadorのキュレーター・Alejandroとその家族が、深夜にも関わらず途中まで迎えに来てくれていた。一発で彼らのことが大好きになってしまった。

翌日は彼のアテンドでSanta Ana郊外にあるCafe Norのドライミルに向かう。さっそくカッピングもできるらしい。今からとても楽しみだ。


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