コーヒー豆は何種類?2大品種(アラビカ種、カネフォラ種)を簡単解説!スペシャルティコーヒーの基礎知識

2023.07.14


みなさんはコーヒーを飲む際、コーヒー豆の品種を気にしたことはありますか?
味の美味しさや、好みなどコーヒーを選ぶ基準は様々ですが、コーヒーの味わいは『品種』によっても大きく左右されます。
今回はコーヒーの2大品種〈アラビカ種・カネフォラ種〉について簡単に違いや特徴をご説明します!


植物学的に見る『コーヒー豆』とは

マガジンやYouTubeでも度々お伝えしていますが、コーヒー豆はコーヒーチェリーの種子を焙煎し、飲める状態にしています。種子であるからには植物で、もちろん植物学的分類もされているんです。

コーヒーチェリーのなる〈コーヒーノキ〉は被子植物門双子葉植物網アカネ目アカネ科コーヒーノキ属に分類されており、主にアフリカ・中南米・東南アジアなどの地域で栽培されています。

エルサルバドル2日目|グアテマラ・エルサルバドル買付旅行記【vol.6】byロースター萩原コーヒーノキの花。開花時期がとても短いとされていてジャスミンのような甘さのある香りが特徴

コーヒーノキ属に分類される植物は、2020年代に129種確認されているものの、商業的に大きな役割を担っているのは〈アラビカ種・カネフォラ種〉の2種類です。

2大品種(アラビカ種、カネフォラ種)のルーツとは?栽培の歴史

では2種類のコーヒー豆について、ルーツや栽培の歴史からより深く知っていきましょう。

最も古い品種 アラビカ種

アラビカ種はもっとも古い品種とされており、6世紀~9世紀ごろには飲料の原料としてイエメンに伝わった記録が残っています。
当時アフリカ大陸・中南米や東南アジアの国々が植民地化されている時代でもあったので、東インド会社がジャワ島に持ち込み、初めて栽培に成功しています。

そこから、フランス人を経由して中南米に栽培地が広がったものが後のティピカ種に、イエメンからブルボン島(現レユニオン島)に持ち込まれたアラビカ種が突然変異を起こし、その後旧イギリス領東アフリカ(現ケニア・タンザニア)に持ち込まれ栽培が広がったものがブルボン種とされています。

ヨーロッパの植民地時代と栽培地が広がっている時期が同じなので、貿易関係でも役割を担っていたことが伺えるところが、個人的に興味深いと思いました。

La Colina農園へ|グァテマラ・エルサルバドル買付旅行記【vol.3】byロースター萩原真っ赤に熟したコーヒーチェリー。スペシャルティコーヒーの農園はチェリーの収穫を手作業で行うことが多い。

また、アラビカ種はコーヒー豆流通量の約65%を占めており、甘さやユニークなフレーバーに優れているとされ、主にアフリカ大陸・中南米での栽培が目立ちます。
味わいの利点はあるものの、乾燥や寒さに弱く病気にかかりやすいうえ、収穫量もばらつくことが多いです。

アラビカ種から、SL28、パカマラ、かトゥーラ、カトゥアイなどが発生しており、どれも研究所などでの人工交配、突然変異など様々な過程を辿っています。

新しい品種 カネフォラ種

カネフォラ種は、19世紀に入ってからアフリカ:ヴィクトリア湖西側で発見された品種です。
暑さや病気に強く、土壌に恵まれていない地域でも栽培しやすいことから、アラビカ種に代わる品種として出回りはじめました。

1898年に初めて栽培に成功して以来、熱帯地域を中心に栽培地を広げ、1900年にはインドネシア:ジャワ島へ導入された記録が残っています。

ただやはり味の面でアラビカ種に劣ること、アラビカ種の人工交配、品種改良などが進んだこともあり、もともとアラビカ種も発育しやすいアフリカや中南米での栽培はあまり見られません。

アラビカ種とカネフォラ種の関係性

ここまで記載して、コーヒーノキはアラビカ種が最初にエチオピアで発生し、カネフォラ種は後から生まれたものだと思われる方が多いと思います。
コーヒー業界の中でも、カネフォラ種はアラビカ種が突然変異したものと捉えることが一般的でした。

しかしながら遺伝子配列などを調査してみたところ、カネフォラ種とアラビカ種は親子関係のような配列をとっており、実はアラビカ種はカネフォラ種から派生していたことがわかったんです。

アラビカ種発生の可能性としては、自生していたカネフォラ種が〈ユーゲニオイデス〉という野生種と交配し、その後エチオピアで新種として広まったとされるそうで、なかなか面白い歴史があるなと思いました。

人工交配のハイブリッド種も登場

また近年話題にも上がる〈ハイブリッド種〉は、本来ならば自然交配が少ない、アラビカ種とカネフォラ種を人工交配させてコーヒーノキの苗木を作り、コーヒー豆を精製しています。

最初のアラビカ種とカネフォラ種の交配は偶然起こったそうですが、そこから東南アジアを中心に品種の枠を超えた組み合わせで交配が進められています。

ハイブリット種が初めて発見されたのは、東ティモール。日本から比較的近い東南アジアの国で新しいコーヒー豆の品種開発がされているのは正直少し意外でした。

品種を調べると生産国・農園の情報もより身近に

ここまでコーヒー豆の2大品種を簡単にご紹介してきました。
品種ごとに味わいの特徴や、強み・弱点なども違ってくるので情報量も膨大です。

ただ自分が飲んでいるコーヒーのルーツや、農園・生産国の方々の取り組みを知ることで、よりスペシャリティコーヒーを身近に感じてもらい、興味を持っていただけるように工夫していくのも、私たちの役割ではないかと思っています。

THE COFFEESHOPではオンラインストアの商品ページをはじめ、毎月発行している冊子でも品種や精製処理などできるだけ詳しくご紹介しています。ご購入の際はぜひ目を通してみてください!

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