2019.01.31コーヒー豆

コーヒーピラミッドをグレード別にカッピングで検証

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コーヒー好きの方には馴染み深いコーヒーピラミッドですが、実際に味の比較をしてみたことがある人は少ないはず。というわけで、今回はカッピングにて、差を確かめてみたいと思います。

目次

  • コーヒーピラミッドってなに?
  • カッピング評価
  • グレードごとの違い
  • ローグレードの評価は難しい
  • グレードと焙煎
  • まとめ

コーヒーピラミッドってなに?

コーヒーピラミッドとは、コーヒーの流通量と品質(グレード)の割合をわかりやすく表した図のことを言います。

コーヒーピラミッド

Specialty(スペシャルティコーヒー)

全コーヒー流通量の約5%。SCAJ、COEカップ評価が80点以上(カップ評価項目において4項目以上が6点以上)のコーヒー豆。生産地から生産処理、流通経路、ロースターまでのトレーサビリティが確認できる。カップオブエクセレンスは、カップ評価85点以上とこのグレードの中でもさらにハイグレード。

ブラジル パッセイオ
エチオピア シャキソ・ナチュラル
ニカラグア ラ・アンプリアシオン
パナマ エスメラルダ・ゲイシャ
など

→ スペシャルティコーヒーとは

Premium(プレミアムコーヒー)

SCAJ、COEカップ評価 76点以上(カップ評価項目において全項目が5点以上)のコーヒー豆。品種、生産地が明記されており、品質も高い。キリマンジャロやブルーマウンテンなど、有名な銘柄が多い。

ブルーマウンテン
キリマンジャロ
エメラルドマウンテン
ハワイコナ
など

Commercial(コマーシャルコーヒー)

もっとも流通量が多いグレードのコーヒー。品質や生産地は不明確で、ブレンドして販売されている。スーパーやコンビニで購入することができ、安く手軽に楽しめる。

Low grade(ローグレードコーヒー)

生産地で自家消費される他、缶コーヒーやインスタントコーヒーの原料としても使用される。

検証方法|カッピング評価

詳細わかっていただいたところで、実際に評価を行い、違いを体感してみたいと思います。評価方法は抽出ではなく、COEの評価でも用いられる『カッピング』という方法で行いました。

→ カッピングとは

評価サンプルとして使用したコーヒーは以下の通りです。

Specialty(スペシャルティコーヒー):
エチオピア/シャキソ・タデGG・ハニー 100g 850円

Premium(プレミアムコーヒー):
ブルーマウンテンNo.1 100g 2,037円

Commercial(コマーシャルコーヒー):
ブラジル、ベトナム、インドネシアのコモディティブレンド 400g 480円

Low grade(ローグレードコーヒー):
インスタントコーヒー 87杯分 398円

結果|グレードごとの違い

コーヒーピラミッドの味の違い、評価結果は以下の通りです。カッピングコメントは、 THE COFFEESHOP ロースター萩原よりお届けします。

Specialty エチオピア/シャキソ・タデGG・ハニー

ドライ:

フローラルやストロベリー、梨のような香りが感じられました。

カップ評価:

フローラルでスイート。はちみつ、ピーチ、ややストロベリーのような華やかなフレーバー。冷めてからは、スイートオレンジ、ミルクチョコレートのような甘さが感じられました。

ストーンフルーツ系の丸みのある酸、シトラス系の酸も少々あり、甘さを伴った酸味など立体的な印象。

質感はラウンドで高評価。心地よい甘さを伴った後味が長く続く。冷めてもネガティブな印象がなく、むしろ違った風味の良さが出てくる。

Premium ブルーマウンテンNo.1

ドライ:

シナモン、ラフランス、藁草。

カップ評価:

バニラ、ラフランス、シナモンのようなフレーバー。特にバニラが強く感じられた。ブラウンシュガーのような甘さがあり、冷めてからはバニラ感のある甘さに。

シトラス系の爽やかな酸味だがボリュームは少ない。冷めてからの酸の印象はやや尖がる。

質感は良く、シルキーな舌触り。後味は短い。クリーンカップは良好で、ロースペシャルティくらいの品質。

Commercial コモディティブレンドコーヒー

ドライ:

アーシー感が強い。インドネシアの深煎りの香り。焦げた匂い。

カップ評価:

土っぽい感じ(アーシー)、焦げた印象。スモーキー。ほこりっぽい。
後味にかなり苦味、渋みが長く残る。冷めてからより顕著。

Low grade インスタントコーヒー

ドライ:

アーシー、べっこう飴、フラットな印象、やや薬品のような香り。

カップ評価:

苦味、渋みの印象が強く、後味にも渋さが残る。
酸味はほぼ無し。重たい質感。インスタントコーヒーの感じ、としか言いようがない薬品臭。
意外と甘さは感じるが、ケミカルなビターキャラメルといった印象。

カッピング評価でローグレードの豆を評価するのは難しい

カッピングという手法は、本来スペシャルティコーヒーの評価をするためのものなので、プレミアム以下のグレードの豆に対してカッピングの手法をあてること自体、やったことのない評価でした。

総評を先にしてしまうと、そもそも評価軸が違うので、グレードごとに明確にどれがいいとは言えません。価格と味、お好みで選びましょうという感じです。

実際にカップしてみたところ、ハイグレード→ローグレードの順番でカップコメントが多く出る結果となりました。

コーヒーのグレードと焙煎の関係性

ローグレードの豆は、 そもそもの豆のポテンシャルが低く、ネガティブを隠すために深く焙煎します。そのため、豆自体の個性を伸ばすという目的が弱く、苦味が強いフラットな味になりがちです。

対してハイグレードの豆は、豆自体のポテンシャルを引き出すことを目的とした焙煎を行います。ポジティブな要素を最大化していくため、味に立体感が出るのが特徴です。ハイグレードの豆の方がカッピングコメントが多く出てくるのは、そのためです。

スペシャルティと一部のプレミアム以外のコーヒーは、欠点を補う焙煎=クセがなくて飲みやすいことが良しとされるので、フラットな印象というのはむしろポジティブなのかもしれません。

スペシャルティの場合はテロワール・風味特性を評価するので、フラットというのはネガティブにとらえられます。

まとめ

コーヒーピラミッドのグレードごとの評価ですが、カッピングではフラットな味のローグレードな豆は、評価するのがとても難しかったです。やはりカッピングは、プレミアムコーヒー以上のグレードが適していますね。

最後に二つ、大きく違いを感じたのは、「クリーンカップ」と「冷めてからの印象」でした。

クリーンカップとは、風味に「汚れ」「欠点」がなく、テロワールがはっきりと表現されるために必須な透明性があることです。

ハイグレードの豆ほど風味に欠点が少なく、また冷めてからの印象も、ハイグレードな豆ほどネガティブな味が現れてきませんでした。

冷めてからも美味しく飲むことができるのは、ハイグレードな豆の大きなメリットですね!

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