スペシャルティコーヒーサブスク〈Beans Delivery Service〉2024年3月13日発送のコーヒー定期便は、ルワンダの精製方法違いをお届け!BDS MAGAZINE vol.247

2024.03.13


多種多様なコーヒーの違いとその個性、そしてなによりそのコーヒーの美味しさに夢中になれる、そんなコーヒー体験を毎月お届けする、コーヒー豆の定期便”Beans Delivery Service“(BDS)。

3月13日発送の2種類のコーヒーについてお知らせいたします!

Rwanda/Kilimbi CWS(ルワンダ/キリンビ・CWS)

ごあいさつ

こんにちは!
THE COFFEESHOP ロースター 萩原です。

ロースター萩原は、現在北海道・函館に来ています!
今回、スペシャルティコーヒーECモールのHeirroomさんにお声がけいただき、3月10日(日)〜15日(金)の5日間、函館蔦屋書店にてPOP UP出店させていただいております。

THE COFFEESHOPとしては初めての北海道出店で不安もありましたが、おかげさまで初日の10日(日)には本当に多くのお客様にお立ち寄りいただき大盛況!
普段浅煎りを飲み慣れない方にも「美味しい!」と言っていただけて嬉しい限りです。

出店は15日(金)まで続きますので、引き続き頑張ります!

それでは、BDS MAGAZINE〈3月13日号〉スタートです!

3月13日発送のコーヒー Rwanda/Kilimbi CWS(ルワンダ/キリンビ・CWS・ハニー)①Honey ②Washed

キリンビ・コーヒーウォッシングステーション(以下、CWS)は、ルワンダ西部州ニャマシェケ郡、ルワンダ最大の湖であるキブ湖にほど近い場所に位置します。
この先進的なCWSは、収穫されたチェリーがボートで運び入れられることもある、世界的に見ても珍しいロケーションに建設されました。現在は周辺の小規模農家750軒と共に、年間350万トンのコーヒーを生産しています。

Rwanda/Kilimbi CWS(ルワンダ/キリンビ・CWS)

キリンビCWSはルワンダで初めてナチュラル・ハニーの輸出が政府に公式に認められたCWSです。
元々、ルワンダでは各農家が庭先で非水洗式(ナチュラル)の精製を行っていたため、品質基準が定まらなかったことが課題でした。
政府がこれに対応し、許可したCWSにて基準以上の品質で水洗式(ウォッシュド)の精製処理をしたものをスペシャルティグレードとして輸出することとなりました。
ルワンダコーヒーの品質は確かに向上しましたが、コーヒー消費国でのニーズの多様化はより進行速度が速く、ウォッシュドだけを生産することに危機感を持ったキリンビCWSの運営者たちが時間をかけて政府を説得したことにより、ルワンダのコーヒー生産者たちに道が開けました。

ハニープロセスの精製では、CWSへ持ち込まれたチェリーはフローティングタンクを用いた比重選別とハンドソーティングを行い、完熟したチェリーのみを選別し、パルパーで果肉除去を行います。
その後、コンクリートの発酵槽の中で平均12時間のドライファーメンテーションを行います。
この間、発酵槽の中のチェリーを数人がかりで足踏みし発酵を促す「イキニンバ」と呼ばれる工程が挟まれます。
その後、ミューシレージを残した状態で、ドライベッドで乾燥工程を開始します。

Rwanda/Kilimbi CWS(ルワンダ/キリンビ・CWS)

対して、ウォッシュドプロセスの精製では、CWSに持ち込まれたコーヒーチェリーは重量を量った後、フローティングタンクに入れられ未熟なチェリー(フローター)と完熟したチェリー(シンカー)に分けられます。
その後、パルパーで果肉を剥がし、発酵槽で6~12時間ドライファーメンテーションを行います。
そしてカナル(水路)にて比重選別を行い、グレードを8段階に分けます。
グレード毎に分けられたウェットパーチメントはシェード付きのドライングベッドで陰干しにし、重点的にハンドピックを行う工程へ移ります。
その後、パーチメントをドライングテーブルへ移し、天日乾燥させます。

Rwanda/Kilimbi CWS(ルワンダ/キリンビ・CWS)

パーチメントの水分値が高い乾燥工程前半は非常に薄く拡げられ、パーチメントに日光が当たる表面積を大きくし、カビや発酵のリスクを抑えながら乾燥させていきます。
パーチメントが乾く乾燥工程後半は、パーチメントが重なり合うようにベッドに配置します。
これにより、パーチメントの水分含有量が均一な状態で乾燥が進みます。
日差しの強い12時~15時と夜間のみカバーがかけられ、平均で35日間かけて乾燥させられます。
ルワンダ西部は収穫期の前半にかけて雨が多いため、乾燥に時間のかかるナチュラルとハニープロセスは収穫期後半の5月に天候サイクルを考慮しながら精製します。

同じ生産地、同じ品種のコーヒーでも、精製方法の違いによる味の変化がよくわかる飲み比べです。
ルワンダの中でも特に生産処理に定評のあるCWSだけに、高品質で個性的な2ロットに仕上がっていると思います。

【CWS】キリンビCWS(Kilimbi CWS)
【生産者】周辺の小規模農家750軒
【地域】西部ニャマシェケ地区(Nyamasheke District, Western Province)
【標高】1,650〜1,850m
【品種】ブルボン(Bourbon)
【生産処理】①ハニー、②ウォッシュド

ハンドドリップのレシピ調整・V60編

BDS発送日の2024年3月13日現在、ロースター萩原は北海道・函館 蔦屋書店にてコーヒー催事〈Heirroom Coffee Marche〉に出店中!
今回は催事会場限定販売の【Colombia / El Paraiso Anaerobic Lychee】や、先行発売となるプレミアムクロップ【Honduras / Los Pinos Typica Honey】など、何種類かのスペシャルティコーヒーを持ってきているのですが、どのコーヒーも1杯ずつお淹れしてお召し上がりいただけます。

THE COFFEESHOPのラインナップは浅煎りから深煎りまでさまざま。
焙煎度合いの違うコーヒー豆を同じレシピで抽出すると、狙ったところから外れてしまいますので、現場では豆の種類ごとに抽出を微調整しています。

今日は実際に函館の催事会場で抽出しているレシピをもとに、焙煎度合いの異なるコーヒー豆を淹れるときや、自分の好みの味わいに近づけるために役立つ抽出レシピの調整の仕方をお届けできればと思います。
こちらの内容は、先週3月8日(金)にTHE COFFEESHOPのYouTubeでもご紹介していますので、動画で観たいという方は是非そちらもチェックしてみてください!

中煎りの抽出レシピ

催事に持ってきているコーヒー豆のラインナップの中からだと、

  • Nicaragua / Casa Blanca Natural

がこの中煎りに当たります。
焙煎度合いを軸に考える場合、これが基本のレシピになりますね。

ドリッパー:HARIO V60
フィルター:アバカフィルター
コーヒー豆:18g 中挽き
お湯:300g 90℃

0’00″~0’40″:60gのお湯を注いで蒸らす
0’40″~0’55″:80gのお湯を注ぐ(合計140g)
1’05″~1’20″:90gのお湯を注ぐ(合計230g)
1’30″~1’40″:70gのお湯を注ぐ(合計300g)
2’20″前後でお湯が落ち切ったら完成

ポイントは、注ぎのタイミングごとにその役割を意識すること。
主に1投目・2投目は、味わいの軸になるような酸味・甘味・フレーバー成分をしっかり取り出すイメージ。
3投目・4投目は成分を出すというより、注湯して濃度調整をするようなイメージです。

落ちきりが早すぎるようなら挽き目を少し細かく、逆に時間が間延びしてしまうときは粗く調整してあげましょう。

浅煎りの抽出レシピ

今回の催事に持ってきている豆のうち、半分くらいがこの浅煎りに当たります。

  • Colombia / El Paraiso Anaerobic Lychee
  • Honduras / Los Pinos Typica Honey
  • Ethiopia / Tamiru Tadesse Bona Zuria

先ほどの中煎りのレシピから変更する点は主に3つ。
【挽き目】と【湯温】、そして【お湯の注ぎ方】です。

まず挽き目は、中煎りのときよりも若干粗めに調整します。
浅煎りのコーヒー豆は水分含有量が多く、特に抽出の後半にかけてペーパーに目詰まりする場合が多くあります。
また、浅煎りコーヒーの特徴であるフルーティなフレーバーや明るい酸味は、粗めに調整した方が感じやすくなります。

そして湯温。こちらは中煎りが90℃だったのに対して、92〜93℃程度に設定します。
浅煎りのコーヒーは深煎りに比べてコーヒーの成分がお湯に溶け出しづらい特性があります。
また、挽き目のところでやや粗めに動かしいるので、さらに成分は溶け出しづらくなっています。
湯温を上げてあげることで未抽出を防ぎ、美味しい成分をしっかり取り出す狙いがあります。

最後にお湯の注ぎ方。
湯温と同じく、浅煎りコーヒーの溶け出しにくい成分をしっかり引き出すために、特に抽出の前半では粉を攪拌するようなイメージでお湯を注ぎます。
具体的にはお湯を勢いよく回しかけるイメージ。
そうすることでお湯と粉が混ざるように動くので、抽出を促してやることができます。

深煎りの抽出レシピ

北海道に来る前に聞いていた話だと、こちらは深煎りが人気の地域だとか。
そこでTHE COFFEESHOPの普段のラインナップにはないところから、2種類の深煎りオリジンを持ってきています。

  • Brazil / Passeio Natural
  • Guatemala / New Oriente

深煎りの抽出の場合には、中煎り→浅煎りのときに行なった調整と、基本的は逆のことを行います。

まず挽き目は、中煎りに比べてやや細かめに設定します。
深煎りコーヒーは酸味やフレーバーよりも、むしろ甘さやしっかりした飲み口に特徴があります。
細挽き寄りに設定することで、その長所をより強調してあげるようなイメージです。

続いて湯温は、やや低めの86℃程度に設定します。
深煎りのコーヒー豆は水溶性成分が溶け出しやすく、過剰に取り出してしまうとアフターが短く余韻が短い仕上がりになりやすい特徴があります。
また、高温抽出では苦味や刺激的な酸味もでやすい傾向にあるため、湯温を落として甘い余韻を目指して抽出します。

最後の注ぎ方は、そこまで大きくは変更しませんが、やはり過抽出を防ぐために、特に抽出の後半にかけてはできるだけ粉が暴れないように注いであげます。
そうすることで苦味や渋みを防ぎ、甘さメインに感じられる抽出を狙っています。

ハンドドリップのレシピ調整・V60編

以上、実際に催事の現場で使っている抽出レシピと、焙煎度合いによる調整のイメージでした。
もちろんご家庭での抽出にも活かしていただけると思いますし、今回使用しているV60以外のドリッパーにも共通する部分は多いと思いますので、ぜひ参考にしてみてください!

また、函館 蔦屋書店でのPOP UP出店は今週15日(金)まで続きます。
お近くにお住まいの方、またタイミングよく函館近辺にお越しの方などいらっしゃいましたら、ぜひお立ち寄りくださいね!

それでは良いコーヒーライフを!

次回発送予定

BEANS DELIVERY SERVICE 次回発送→ 3月27日(水)予定

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