スペシャルティコーヒーサブスク〈Beans Delivery Service〉2024年2月28日発送のコーヒー定期便は、ケニアとニカラグアをお届け!BDS MAGAZINE vol.246

2024.02.28


多種多様なコーヒーの違いとその個性、そしてなによりそのコーヒーの美味しさに夢中になれる、そんなコーヒー体験を毎月お届けする、コーヒー豆の定期便”Beans Delivery Service“(BDS)。

2月28日発送の2種類のコーヒーについてお知らせいたします!

スペシャルティコーヒーサブスク〈Beans Delivery Service〉2024年2月28日発送のコーヒー定期便は、ケニアとニカラグアをお届け!BDS MAGAZINE vol.246

ごあいさつ

こんにちは!
THE COFFEESHOP ロースター 萩原です。

毎年言っているような気がしますが、2月ってほんとうにあっという間に過ぎていきますね。
例年になく寒暖差の厳しいこのごろ、皆様体調など崩されていないでしょうか?

さて、明後日3/1は、実はTHE COFFEESHOPの1号店だった代官山店のオープン記念日!
2011年のオープンから数えて、丸13年になります。
当時とはありとあらゆる環境が変わっていますが、”美味しいスペシャルティコーヒーを届けたい”という想いだけは、ずっと変わらずに持ち続けています。
これからもその気持ちを軸に、14年目のTHE COFFEESHOPもよろしくお願いいたします!

それでは、BDS MAGAZINE〈2月28日号〉スタートです!

2月28日発送のコーヒー①Kenya/Tegu AA(ケニア/ テグ・AA)

ケニアのコーヒーといえば、オレンジやチェリー、アップルを思わせるような赤く明るい果実味が特徴。
このケニア/テグ・AAも類に漏れず、そうしたフレーバーを明確に感じることができますが、なんといってもこのロットの一番の特徴は、”Lactic”と表現される乳酸系食品のような酸味。
カッピングでは10分を過ぎたあたりから顕著に現れ始め、まるでフルーツヨーグルトのような味わいに感じました。
Lacticな酸味は甘さを伴った複雑さがあり、ここまで明確に感じ取れるロットはなかなか珍しいもの。
一捻りある、だけど無性に癖になるケニアの浅煎りに仕上がっています。

Kenya/Tegu AA(ケニア/ テグ・AA)

”テグ”とは現地のキクユ語で”低地”を意味していて、近くを流れるテグ川から由来されています。
テグ・ウォッシングステーションはケニアの中心地二エリ地区、テカング農家協同組合(FCS)運営によって運営されています。
毎年安定したクオリティーの高さから、ケニア国内の平均的な市場価格よりも高い金額をマークしてる上に、売上の85%がチェリーを持ち寄った農家に支払われます。

農協は、全てのコーヒーの追跡記録をもち、クオリティーコントロールも徹底しています。
テグWSには約1200の小規模農家がチェリーを持ち寄っており、彼らの農園の平均的なサイズは0.4ヘクタール。
この地域全体の年間生産量は約330トンです。 チェリーは、各農園で熟度別にハンドピックされたあと、ウォッシングステーションにてパルパー(A3v Disc AaardePulping machine)を使用し、果肉の除去と、グレード分(サイズ分け)を行います。

発酵にはWS名の由来にもなっているテグ川からの新鮮な水を使用。
精製から出る汚水を減らすため、同じ水をリサイクルしてパルピングと発酵を行います。
洗浄後、再度グレード選別を行い、16〜18時間発酵、綺麗な水にソーキングしたあと、21日間ドライベッドで天日干し乾燥を行います。
乾燥工程の間、日中の気温の高い時間帯と夜間は、プラスチックカバーでパーチメントを保護します。

今回のコーヒーは、ノルウェーのインポーター・Nordic Approachから購入させていただいたロットになります。
Nordic Approachは単に品質の高い農園から生豆を買い付けるのではなく、まだ日のあたっていない、ポテンシャルを秘めた産地を見つけ出し、農業指導や環境整備といった段階から共に良質なコーヒーを作り上げる、という取り組みを行っている企業です。
生産者へ高い割合の報酬を担保しつつ、持続的に取引を行う姿勢は、生産地と消費国の関係作りの一つの理想系だと思います。
これまでNordic Approachとは、ノルウェー本国と直接取引を行う必要があったのですが、少し前から日本法人(と言ってもお一人で運営されているそうです)ができ、よりスムーズな取引ができるようになりました。
THE COFFEESHOPでは、ユニークなコーヒーを持続可能な仕組みで取引できるNordic Approachのロットを、これから沢山取り扱いできればと思っています。
その第一弾となるケニア/テグ・AA、どうぞお楽しみください!

【精製所】テグ・ファクトリー(Tegu Factory)
【地域】ニエリ、カラティナ(Karatina, Nyeri)
【標高】1,800m
【品種】SL28,SL34
【グレード】AA
【生産処理】ウォッシュド(Washed)

2月28日発送のコーヒー②Nicaragua/Santa Maria de Lourdes(ニカラグア/サンタマリア・デ・ローデス)

今回お届けのコーヒーはニカラグアを代表するスペシャルティコーヒーの生産者・エクスポーターであるPeralta Coffees(ペラルタコーヒー)が手掛けるロットです。
その安定したクオリティには世界中のバイヤーから高く評価され、流通量は年間50コンテナを超えています。

Nicaragua/Santa Maria de Lourdes(ニカラグア/サンタマリア・デ・ローデス)

ペラルタコーヒーはペラルタ家の一族で運営され、いとこ同士の関係にあるフリオとオクタヴィオが指揮を執っています。
彼らはホンジュラスの国境近くにあるモソンテの街周辺に、七つの農園とドライミルを所有しており、そのエリアはディピルトやサンフェルナンドと呼ばれ、コーヒーの名産地として知られています。

Nicaragua/Santa Maria de Lourdes(ニカラグア/サンタマリア・デ・ローデス)

中米に位置するニカラグアという国は、個人的にも大好きな生産国のひとつ。
ただ、コーヒー生産者たちの置かれている状況は決して恵まれているとは言い難い環境にあります。
ひとつは政治的な不安定さ。2018年には独裁的な左派の政治体制と貧困による不満が国内で爆発、過激化したデモにより数ヶ月間政府機能が停止するという事態に陥りました。
もちろんコーヒーの輸出も滞り、収穫が済んだコンテナごと廃棄せざるを得ない生産者も現れ、多くのコーヒー生産者が離農してしまったそうです。

また、比較的産地の標高が低いニカラグアでは、気候変動の影響を大きく受けています。
低地ほど乾燥し雨が降らなくなり、半年間の乾季にコーヒーノキが耐えられなくなってきているそうです。
かつては標高1,000mの地域でもコーヒーの栽培が行われていましたが、今では難しく、また自然環境保護の観点から政府によって土地の開拓が規制されており、新たなコーヒー農地を作ることもできないと言います。

そんな困難な状況でも、ペラルタコーヒーは粘り強くビジネスを継続していきたいと語っています。
彼らが力を入れているのは品種の選定と精製の精度を上げること。
特にアナエロビックプロセスに実験を重ね、安定したクオリティのコーヒー作りを目指しています。

Nicaragua/Santa Maria de Lourdes(ニカラグア/サンタマリア・デ・ローデス)

ここで大切なのは、決してファンキーで派手なフレーバーを生み出すためのアナエロビックではない、ということ。
クオリティに一貫性を持たせるための精製への取り組みは、今回ご紹介のナチュラルにおいても感じることができました。
ナチュラル独特の発酵感は最低限に抑えつつ、クリーンで甘い口当たりは丁寧な収穫と生産処理の賜物だと思います。

また、密度が低くアシディティがぼやけてしまいがちなニカラグアのナチュラルにおいて、しっかりと軸となる引き締まった酸味を感じることができるのは、発酵の工夫によるものかもしれません。
こういう背骨になるようなアシディティを感じるナチュラルプロセス、個人的に大好きなテイストです。

今年は他の生産国と比べてもニカラグアのコーヒーの出来が良いと感じていますが、このロットはその代表と言えるでしょう。
プロフェッショナルな仕事ぶりを感じるペラルタコーヒーのマイクロロット、ぜひお楽しみください!

【エクスポーター】ペラルタコーヒー(Peralta Coffees)
【農園主】オクタヴィオ・ペラルタ・パクアガ(Octavio Peralta Paguaga)
【農園】サンタマリア・デ・ローデス(Santa Maria de Lourdes)
【地域】ヌエバ・セゴビア県、サン・フェルナンド(San Fernando, Nueva Segovia)
【標高】1,400m
【品種】レッドカトゥアイ(Red Catuai)
【生産処理】ナチュラル(Natural)

持続可能なコーヒー生産に向けて〈ルワンダコーヒーチャレンジ〉

この度THE COFFEESHOPは、持続可能なコーヒー生産に向けた産地支援の取り組み、〈ルワンダコーヒーチャレンジ〉に参加させていただいています!

オニバスコーヒー〈ルワンダコーヒーチャレンジ〉

ルワンダコーヒーチャレンジは、ONIBUS COFFEEさんが主催する、ルワンダの生産者支援とルワンダコーヒーの認知拡大を目的とした、新しいコンペティション企画です。
ONIBUSさんはかねてよりインポーターのGreen Pasturesさんと共に、ルワンダのコーヒー産地に赴いて生豆の買い付けを行われていました。
また、単に生豆を買い付けるだけではなく、2022年からは生産者と一緒にコーヒーパルプ(精製の過程で取り除かれるコーヒーチェリーの果皮)の堆肥化(コンポスト)にも取り組んでおられます。
THE COFFEESHOPではONIBUSさんが生豆の輸入を始められた当初から、その一部を譲っていただき取り扱いさせていただいてきました。

今回のルワンダコーヒーチャレンジでは、そんなONIBUS COFFEEさんがセレクト・輸入したコーヒー生豆を、日本国内の10のロースターがそれぞれ焙煎し、そのクオリティを競うコンペティションが行われます。

オニバスコーヒー〈ルワンダコーヒーチャレンジ〉

参加ロースター

aoma coffee / 大阪
COFFEE COUNTY / 福岡
ONIBUS COFFEE / 東京
PASSAGE COFFEE / 東京
PostCoffee / 東京
THE COFFEESHOP / 東京
townsfolk coffee / 石川
WEEKENDERS COFFEE / 京都
WESTSIDE COFFEE / 東京
YARD Coffee & Craft Chocolate / 大阪
(A to Z)

ちょっと恐縮してしまうような顔ぶれ。
各々焙煎したコーヒーはブラインドで各ロースターに送られ、参加者自身が審査員となってCOE方式で採点、順位を決定します。

この10のロースターが焙煎したコーヒーは、3/3(日)にONIBUS COFFEEさんで開かれるパブリックカッピングで一般の方も味わうことができるほか、セットでの販売も予定しています。

これらの売上はすべてルワンダの農業支援に充てられます。
特にルワンダでは、慢性的な肥料不足が問題となっています。
肥料は政府から支給される、輸入の化学肥料に頼る形になっており、きちんとコーヒーに使用されているかも定かではありません。
また、生産地域の植物多様性は全くなく、土着の広葉樹は一部の国立公園を除きほとんど見ることができません。
そのため、土壌環境は悪く微生物が少ない土壌になってしまっていると言います。
ONIBUS COFFEEさんが取り組んでいるコーヒーパルプのコンポスト化は、政府に依存しない持続可能な肥料の調達と、有機肥料を使うことによる生物多様性・土壌環境の改善に寄与することができます。
今回のルワンダコーヒーチャレンジで支援できるのは、まだルワンダのごくわずかな生産地に限られてしまいますが、これをきっかけにルワンダ全土、ひいては他の生産地にも、こうした取り組みが広がっていってくれたらと思います。

同時に、何よりいちコーヒーファンとしてはこの豪華メンバーが焙煎したコーヒーを飲み比べできるのが、楽しみでなりません!
実はこの原稿を書いている2/26現在、手元にはすでに全員分のコーヒーが入った包みが届いていて、明日にも審査のためカップを取る予定。
コンペである以上、上位に入れたら嬉しいとは思いますが、まずは錚々たる諸先輩方の焙煎したコーヒーを楽しみたいと思います。

コンペの結果発表とセットの発売は3/1(金)予定。
詳細はONIBUS COFFEEさんのインスタグラムで発表となりますので、みなさんもぜひチェックしてみてくださいね!

それでは良いコーヒーライフを!

次回発送予定

BEANS DELIVERY SERVICE 次回発送→ 3月13日(水)予定

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THE COFFEESHOPが直接買い付けた日本初上陸のコーヒー豆など、よりマニアックな内容を楽しむことができますよ♪

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