2023年9月13日発送のコーヒー定期便は、エチオピアとブラジルをお届け!BDS MAGAZINE vol.235

2023.09.13


多種多様なコーヒーの違いとその個性、そしてなによりそのコーヒーの美味しさに夢中になれる、そんなコーヒー体験を毎月お届けする、コーヒー豆の定期便”Beans Delivery Service“(BDS)。

9月13日発送の2種類のコーヒーについてお知らせいたします!

THE COFFEESHOP スペシャルティコーヒーサブスク Beans Delivery Service


ごあいさつ

こんにちは!
THE COFFEESHOP ロースター 萩原です。

日中はまだまだ暑い日が続いていますが、早朝や夜の時間帯にはかなり涼しい日も増えてきました。
実は8月ごろからアフリカや中米のニュークロップが続々到着中!
今年産地で買い付けてきたグアテマラ・エルサルバドルも、10月のBDSからようやくお届けを開始できる見込みですので、どうぞお楽しみに!

それでは、BDS MAGAZINE〈9月13日号〉スタートです!

9月13日発送のコーヒー①Ethiopia/Banko Gotiti Reku(エチオピア/バンコ・ゴティティ・レク)

待望のエチオピア・ウォッシュド、ニュークロップの到着です!
ニュークロップとは、生産地で収穫されたその年にやってきたコーヒーのこと。お米でいうところの新米みたいなものです。
瑞々しく水分を含んだニュークロップは、明るいフレーバーが出やすく、いわば旬のコーヒーといっても過言ではありません。

今回お届けのエチオピア/バンコ・ゴティティ・レクは、8月に入港したばかりのフレッシュなコーヒー。
エチオピア・ウォッシュドの王道と言えるフローラル・ティーライクなフレーバーが存分に楽しめる浅煎りに仕上げました。

9月13日発送のコーヒー①Ethiopia/Banko Gotiti Reku(エチオピア/バンコ・ゴティティ・レク)

約1,000トン程度のキャパシティがあるゴティティ・レク・ウォッシングステーションはバンコ・ゴティティの町の中心部からほど近く、標高1,900mに位置しています。

運び入れられたチェリーはディスク式のパルパーにかけられ、質量が重く沈むものはG1やG2グレードへ、軽く浮いているものはG3〜G4、未熟のものはLow Gradeとして国内消費にまわります。

ウェットファーメンテーションに要する時間は、天気の良い日で24時間、寒い日だと72時間程度かけてミューシレージを分解。
その後、水洗されたパーチメントをバンブーベッドにて12〜15日程度かけて乾燥させています。

9月13日発送のコーヒー①Ethiopia/Banko Gotiti Reku(エチオピア/バンコ・ゴティティ・レク)

白桃を思わせるような甘くフローラルなアロマ、甘いレモンのようなフレーバーを感じます。
さらりとした飲み口は紅茶のように軽やかで、まさにエチオピア・ウォッシュドのスペシャルティを象徴するようなカップです。

おすすめのペアリングは、まさしく紅茶のようにスコーンのような焼き菓子と合わせること。
涼しくなってきた夏の終わりの夕方、お菓子と一緒に優雅なティータイムを過ごしたくなるような一杯です。

【生産者】Reku周辺の小規模生産者(Small producers)
【地域】エチオピア南部諸民族州、ゲデオ、ゲデブ、バンコ・ゴティティ(Banko Gotiti, Gedeb, Gedeo, SNNPR)
【標高】2,020m〜2,100m
【品種】在来品種(Ethiopian Heirloom)
【生産処理】ウォッシュド

9月13日発送のコーヒー②Brazil/Serra das Tres Barras(ブラジル/セーハ・ダス・トレス・バハス)

セーハ・ダス・トレス・バハス農園があるのは、ミナスジェライス州南部マンチケーラ山脈の高原地帯、カルモデ・ミナス。1,000m~1,450mの標高に加え、高品質コーヒー栽培のための適度な気候、降水量に恵まれています。

この農園の歴史は、18世紀にペレイラ家の先祖がポルトガルからこの地に移民したことから始まります。
最初にコーヒーが栽培されたのは1866年で、1904年に現在のオーナーの祖父ガブリエル・ジュンケイラ氏がこの農園の管理を始めました。

9月13日発送のコーヒー②Brazil/Serra das Tres Barras(ブラジル/セーハ・ダス・トレス・バハス)

品質に関する発展は、1914年にこの地で最初のコーヒー精選機の操作が行なわれたことから始まりました。

1922年には、パティオとサイフォンタンクが作られています。パルピングマシーンや、農園で使う電気エネルギーを得るため、町で始めての水力発電さえも作られました。

1994年にこの農園はさらに2つに分けられ、標高の高いほうの部分を、現在の所有者である ジョゼ・ワグネル・ヒベイロ・ジュンケイラ氏が所有。

2002年には、新型グリーンセパレーターやサスペンデッドパティオの新設をして、明るくて風味豊かなカップを持つコーヒーを求めるために、たゆまぬ努力を続けています。

9月13日発送のコーヒー②Brazil/Serra das Tres Barras(ブラジル/セーハ・ダス・トレス・バハス)

肥沃な土壌、適度な標高、光合成に必要な十分な太陽光線の量、そして適度な降水量は、スペシャルティコーヒーの生産には理想的な環境です。
これにジュンケイラ・ファミリーの生産者としてのプロ意識が融合して、カルモデミナスでも最高のコーヒーを生産しているのです。

彼らのこだわりは、品種の選別、栽培方法、さらに、収穫、生産処理の研究に専念するにまで及んでいます。
BSCA、ジェライス州、Illy Café等のコンペテションにも幾度も入賞していることは、彼らの努力の何よりの証でしょう。

9月13日発送のコーヒー②Brazil/Serra das Tres Barras(ブラジル/セーハ・ダス・トレス・バハス)

セーハ・ダス・トレス・バハス農園のコーヒーは毎年のように取り扱っている定番のロット。その特徴は、ブラジルの中では比較的高めの標高と丁寧な生産処理による、ブラジルらしからぬ果実のフレーバーです。

今年のカップに感じたのは、ダークチェリーやグレープを思わせる甘いジューシーさ。ナチュラルプロセス由来の程よい発酵感も相まって、赤ワインのようにも感じました。それでいて、風味の芯を支えるのはブラジルらしい落ち着いた甘さや香ばしい香り。
ジューシーさと安心するような落ち着きの両立した、素晴らしいバランスのコーヒーに仕上がっています。

【生産者】ジョゼ・ワグネル・ヒベイロ・ジュンケイラ(Jose Wagner Ribeiro Junqueira)
【農園】セーハ・ダス・トレス・バハス(Serra das Tres Barras)
【地域】カルモデ・ミナス(Carmo de Minas)
【標高】1,100〜1,450m
【品種】イエローブルボン(Yellow Bourbon)
【生産処理】ナチュラル(Natural)

WCRCヘッドジャッジ・Jake氏のセミナーに行ってきました

先週の金曜日、World Coffee Roasting Championship(WCRC)などのヘッドジャッジを務めるJake Hu氏によるセミナーが、東京・八王子で開かれました。
今回のセミナーは、今年からWCRCのルールが大きく変わったことを受け、その内容を詳しく解説するという内容。
プロのロースター、なかでも競技会に積極的に取り組むロースター向けの、なかなかハイレベルなセミナーだったのですが、興味深い内容でかなり勉強にもなりましたので、その一部をご紹介したいと思います。

WCRCヘッドジャッジ・Jake氏のセミナーに行ってきました

そもそもWCRCとは、焙煎に関する技術と知識、臨機応変な対応力を競う競技会。
コーヒーに関する競技会はいろいろありますが、World Coffee Events(WCE)が主催する世界大会のうち、唯一焙煎に関する競技会です。

どんな競技かというと、細かいルールはさておき簡潔に言えば、『与えられた課題豆の特徴を正しく把握し、そのポテンシャルを正確な焙煎技術で表現する』という感じでしょうか。

競技会ですので、焙煎されたコーヒー豆に対してジャッジによる評価が下されるわけですが、そこには当然一定のルール、客観的な評価軸が必要になりますよね。
今回のルール変更は、このジャッジに使用される評価軸が大きく変わっています。
どういうものが評価されるのか、という軸は、コーヒーの競技会においては最も大切なポイント。それをヘッドジャッジ自ら解説してくれるセミナーということで、全国各地から日本のトップロースターたちが集まるセミナーとなりました。

今回のルール変更では、評価に使用されるスコアシートそのものが大きく変わったのですが、中でも一番の変更点は『Descriptive Form』という新しい記述の仕方が増えたこと。
このフォームでは、競技者は本焙煎を行う前に、提出するコーヒーの”風味”と”強度”はどんなものなのか、を予め設定します。

“風味”というのは、コーヒーの味わいを例えで説明するようなもので、フレーバーホイールという基準になる表があり、主にそこから単語を拾って使用します。

“強度”というのは、単純に項目ごとの強さ・ボリュームを指します。
例えば、「アロマはオレンジやアーモンド、強度はミディアム。フレーバーはグレープフルーツ・バニラ、強度はミディアム・ハイ。アフターテイストは…」といった具合です。

この『Descriptive Form』では、事前に宣言したコーヒーの味わいと、実際に焙煎・提出されたコーヒーの味わいが、いかに合致しているか、ということがジャッジされます。
つまり、サンプル焙煎を通して、この豆はどんなフレーバーや甘さが出る豆なのか、ということを判断して、それを焙煎によってちゃんと引き出してやる、という技術が必要になるわけですね。
これまでのWCRCでは事前に提出するのは焙煎時間や排出温度などを記載したローストプランのみで、風味の事前申告はありませんでした。
しかも、この風味の整合性に関する配点はかなり大きく設定されており、競技の性格をも大きく変える変更点になっているのです。

正直、これを正確にやるのは、かなり難しい話。
課題豆が渡されるのは競技焙煎の前日なので、その場でどんな豆なのかを判断して見極める必要がありますし、そのためには膨大な知識と経験、そしてそれを表現できる焙煎技術が必要になります。
今まで以上にラッキーパンチでは勝てない、ハイレベルな大会になると思われます。

WCRCヘッドジャッジ・Jake氏のセミナーに行ってきました

このセミナーの2日前には、ロースター萩原がWCRCの日本予選となるJCRCに出場しました。
この原稿を書いている火曜日時点ではまだ結果が出ていませんが、もし良い結果がでれば今回のルール&レギュレーションで行われる決勝に臨むことになります。

ルールが変わって初の開催になることも含め、大変な大会になると思われますが、こうした競技会に挑むことは自身の成長にも繋がる大事な機会ですので、ぜひ頑張りたいと思います!
みなさんに良い結果を報告できるよう、祈っていてください…!

それでは良いコーヒーライフを!

次回発送予定

BEANS DELIVERY SERVICE 次回発送→ 9月27日(水)予定

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