2023年7月26日発送のコーヒー定期便は、インドネシア・品評会入賞ロットとボリビア!BDS MAGAZINE vol.232

2023.07.26
SHERE

多種多様なコーヒーの違いとその個性、そしてなによりそのコーヒーの美味しさに夢中になれる、そんなコーヒー体験を毎月お届けする、コーヒー豆の定期便”Beans Delivery Service“(BDS)。

7月26日発送の2種類のコーヒーについてお知らせいたします!

ごあいさつ

こんにちは!

THE COFFEESHOP ロースター 萩原です。

連日連夜、猛暑が続いておりますね。

毎朝の出勤は自転車で10分ほどなのですが、お店に到着するころにはすでに汗だく。

ですが、朝一番で淹れるアイスコーヒーが実は毎朝の楽しみになっています。

出勤するだけで憂鬱な酷暑でも、ちょっとした楽しみを用意しておくと気分が上がりますね!

それでは、BDS MAGAZINE〈7月26日号〉スタートです!

7月26日発送のコーヒー①Indonesia/NW2021 Ade Saedin(インドネシア/NW2021・アデ・セディン)

生産者のAde Saedin氏は、家族を食べさせていけるだけの仕事を探すのに苦労していたところ、知り合いのコーヒー農園に招かれたことがありました。

Ade氏はその時コーヒーについてほとんど知らず、コーヒーの葉の見分けもつかなかったそうですが、コーヒーの魅力に気づき自分も栽培を始めようと決意。

設備を整えDano農園を開設する以前は、コーヒーについての知識が少なかったため、同じ地域の大きな農園で働きながら栽培のノウハウを学んでいきました。

そこでの仕事に熱意をもって勤勉に取り組むことで農園主の信頼を得ることができ、収穫するまでの様々な技術を教えてもらうことができたといいます。

Ade氏の目標はインドネシアのコーヒーといって想像されるイメージを覆すようなコーヒーを生産し、広めていくことです。そしてそのためには、COEのような競技会はとても重要な役割をもつと感じています。

目標に向かって高品質なコーヒーをつくり、その努力に見合った価格で取引ができて初めて、安定した産業になるということを、長年の栽培経験の中で痛感してきたといいます。 2021年に初開催となったCOEは、インドネシアのコーヒー産業を盛り上げるための大きな希望であり、2021年の状況のなかでも開催するという決断をしてくれた、コーヒーを飲むすべての人に感謝している、と語っています。

到着したコーヒーは、そんなアデ氏の目指すところを実によく表したカップでした。

温度が高いときには、インドネシアらしいエキゾチックでスパイシーな風味を感じます。

このやや土っぽいような風味を、コーヒーの世界では英語の”Earth(大地)”からとって”Earthy”と表現しますが、特に甘さを伴って感じるポジティブな野生味を”Sweet Earthy”と言ったりします。

今回のロットに感じる風味は、まさしくこの言葉がぴったりなフレーバーを感じました。

温度が下がるにつれ、今度はレッドアップルやクランベリーのようなフルーティな風味が前に出てきます。

まるで良質な中米のコーヒーのようなこのフレーバーは、言われなければインドネシアのコーヒーとは気づかないような明るさで、とても驚きました。

まさにインドネシアのコーヒーのイメージを覆したいというアデ氏の目標がよく現れたカップだと思います。

温度の変化に従って、甘さの印象も刻一刻と変わる、複雑で面白いコーヒーです。ぜひお楽しみください!

【生産者】アデ・セディン

【農園】ダノ

【地域】Kabupaten Bandung, Jawa Barat

【標高】1,490m

【品種】S-795, Sigararutang, Typica

【生産処理】ウォッシュド

【獲得スコア】86.03

7月26日発送のコーヒー②Bolivia/Finca Senda Salvaje(ボリビア/フィンカ・センダ・サルバヘ)

南米大陸中央部に位置するボリビアは、ブラジルやペルー、チリなどと接する内陸国。

金や銀、すずなどの工業が盛んなほか、ウユニ塩湖など観光地としてもよく知られているボリビアですが、近年では素晴らしいスペシャルティコーヒーの生産地としてもその知名度を上げています。

国土の中心に位置するアンデス山脈は高いところで標高5,000メートルを超え、首都ラパスは標高3,600m強と、世界一高い場所にある首都として知られています。

その十分な標高と火山性の土壌は、高品質なスペシャルティコーヒー生産に大きく貢献しますが、同時に過酷な自然環境は流通面・栽培面での足かせにもなっており、まだまだ未発見のマイクロロットが数多く眠っている可能性を秘めています。

今回のコーヒーを届けてくれたのは、そんなボリビアの素晴らしい小規模生産者を世界中に紹介してくれているNayra Qata(ナイラ・カタ)。

ボリビアのスペシャルティコーヒー・エクスポーターとして最も有名なアグリカフェから独立し、よりマイクロなロットを取り扱っている稀有な存在です。

ナイラ・カタの代表フアン・ボヤン・グアラチ氏の元に集まるコーヒーは、どれも超小規模で栽培を行う生産者のロット。

実際にいくつかのサンプルを試しましたがどれもユニークで、ロットの選定にはとても悩んだのを覚えています。

今回お届けのコーヒーは、ボリビア西部カラナビ地区でコーヒー農園を営むカルメロ氏が手掛けるロット。

カルメロ氏はカラナビ地区のリーダー的存在で、彼を中心に新しい生産者のコミュニティが生まれていると言います。

ボリビアのコーヒーは高いポテンシャルが期待されていますが、前述のとおりその地理的理由からまだまだ発展途上のエリアが数多く残されています。

氏のように地域のコーヒー生産者と連携してクオリティを高める取り組みを行うリーダーは、ボリビアのスペシャルティコーヒーをより発展させていく上で重要な役割を果たしています。

氏が運営するセンダ・サルバヘ農園のコーヒーは、昨年THE COFFEESHOPでもゲイシャ種を取り扱っていました。

そのゲイシャ種のロットが素晴らしかったのは言わずもがなですが、今年はよりデイリーに楽しめるような、レッドカトゥアイ種のコーヒーを仕入れました。

派手なフレーバーこそないものの、チェリーやシトラスを思わせる柔らかい果実味があり、特に後味に長く続くキャラメルやブラウンシュガーのような甘さが印象的。

質感もシルクのように滑らかで、心地よい飲み口のコーヒーです。

昨年のゲイシャ種の取り扱いをきっかけに、実はカルメロ氏とは個人的にFacebookのフレンドだったりもするので、今年の出来やお客様の反応についても、メッセージでやりとりできたらと思っています。

カルメロ氏が手掛ける素晴らしいボリビアのスペシャルティコーヒー、どうぞお楽しみください!

【生産者】カルメロ・ユフラ・ティコナ

【農園】センダ・サルバへ

【地域】カラナビ、ロア

【標高】1,750m

【品種】レッドカトゥアイ

【生産処理】ダブルウォッシュド

パナマにフォーカスした焙煎競技会・PCRC

スペシャルティコーヒーに関する技術を競いあう競技会。

抽出や焙煎などさまざまな部門があり、毎年多くのバリスタ・ロースターが鎬を削っていますが、中でもパナマのコーヒーだけを使用した焙煎競技会が、『Panama Coffee Roasting Competition(PCRC)』です。

今年初開催となるこのPCRC、THE COFFEESHOPからロースター萩原がエントリーしており、予選に向けて準備を進めております。

PCRCを主催するのは、厳選したパナマのスペシャルティを輸入・販売するBRISA & TIERRA。

バリスタの世界大会でも使用されるような超トップオブトップクオリティのコーヒーをはじめ、世界でも指折りの品質で知られるパナマスペシャルティを数多く取り揃えている、ハイエンドなインポーターです。

取り扱っている農園は、HartmannやLa Esmeralda、Abu、Jansonなど、コーヒー業界の人間ならば垂涎ものの生産者ばかり。

スペシャルティのロースター・バリスタならば、一度は取り扱ってみたいコーヒーたちと言えますね。

PCRCは、そんなBRISA & TIERRAが取り扱うパナマコーヒーを使用して焙煎技術を競いあう、なんとも贅沢な大会です。

競技部門は、まず大きくGeisha部門と、それ以外の品種を使うTraditional部門に分かれます。

ご存知の方も多いかと思いますが、パナマのコーヒーといえばなんといってもGeisha種が有名。

パナマゲイシャの登場によって、スペシャルティコーヒーという文化の評価と認知度が一気に押し上げられたと言っても過言ではありません。

コーヒーとは思えないような華やかでフレッシュなフレーバーと、それまでの常識を覆すような高価格で、一躍有名になりました。

THE COFFEESHOP萩原がエントリーしているのもこのGeisha部門。

まず参加者はいくつかのグループに分けられ、予選を戦います。

グループごとにそれぞれ課題の生豆と専任のジャッジ、評価テーマが設定されており、その課題に沿ってコーヒーを焙煎します。

各グループ1名ずつが予選を勝ち抜き、決勝はまた新たな課題豆が設定。

表彰式は9月末に開催されるSCAJの舞台で行われる予定です。

気になる萩原の予選ブロックの課題豆は、Don Benjieという農園のGeisha種、Natural Carbonic Macerationという特殊精製のロット。

それこそ抽出の大会でも使用されるような、トップオブトップのスペシャルティです。

競技会とはいえ、こうした世界最高峰のコーヒーと向き合えるのは本当に幸せなこと。

いまはまだ焙煎のプロファイルを組み立てている段階ですが、生豆の時点で甘く芳醇な香りが漂っています。

ただでさえ素晴らしいポテンシャルのコーヒーですが、少しでも美味しく焙煎できるように試行錯誤の真っ最中。

まずは予選突破を目指して、全力をもって焙煎にあたります!

こんな機会もなかなかありませんので、競技に提出する分よりも少し多めに生豆を確保済。

少量にはなってしまいますが、一般発売も予定しておりますので、ぜひこの貴重なコーヒーを一緒に楽しみましょう!

また発売のタイミングが決まりましたら各種SNSなどでアナウンスいたします。どうぞお楽しみに!

それでは良いコーヒーライフを!

次回発送予定

BEANS DELIVERY SERVICE 次回発送→ 8月9日(水)予定

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