2023年6月14日発送のコーヒー定期便はタンザニアと中国!BDS MAGAZINE vol.229

2023.06.14


多種多様なコーヒーの違いとその個性、そしてなによりそのコーヒーの美味しさに夢中になれる、そんなコーヒー体験を毎月お届けする、コーヒー豆の定期便”Beans Delivery Service“(BDS)。

6月14日発送の2種類のコーヒーについてお知らせいたします!

2023年6月14日発送のコーヒー定期便はタンザニアと中国!BDS MAGAZINE vol.229


コーヒーサブスクBDSライブ配信

ごあいさつ

こんにちは!
2023年6月14日発送のBEANS DELIVERY SERVICE MAGAZINEです!

本日、富ヶ谷ROAST WORKSにエスプレッソマシンが搬入されました!
かねてより準備をすすめていたエスプレッソの導入、ROAST WORKS 10年目にして新しいチャレンジです。
これからスタッフのトレーニングやメニュー開発を経て、皆様に提供できるのは7月以降になる予定。
美味しいエスプレッソをお出しできるようさらに準備してまいりますので、どうぞ楽しみにお待ちくださいね!

それでは、BDS MAGAZINE6月14日号、スタートです!

6月14日発送のコーヒー①Tanzania/Acacia Hills Kent(タンザニア/アカシア・ヒルズ・ケント)

東アフリカに位置するタンザニアは、スペシャルティコーヒーの生産で著名なケニアや、近年知名度と上げているルワンダ、ブルンジ、ウガンダと国境を接する国です。
そのコーヒー生産の歴史は古く、タンザニア北部では1920年代ごろからドイツ系の移民によってコーヒー農園が営まれていたそうです。

6月14日発送のコーヒー①Tanzania/Acacia Hills Kent(タンザニア/アカシア・ヒルズ・ケント)

しかし、現在でもタンザニア国内で生産されるコーヒーのほとんどは、コモディティコーヒーが占めています。
2000年代以降、スペシャルティコーヒーという概念を知った一部の生産者の間でのみ取り組まれているため、あまり目にすることは多くないのが実情です。
そのため、タンザニアのコーヒーというと、どこか単調で特徴のないイメージが強い方も多いかもしれません。
実際、僕自身もタンザニア・スペシャルティのカップをとった経験はあまりありませんでした。

6月14日発送のコーヒー①Tanzania/Acacia Hills Kent(タンザニア/アカシア・ヒルズ・ケント)

今回お届けのAcacia Hillsは、スペシャルティコーヒーのダイレクトトレード・プラトフォーム、TYPICAを介して購入した単一農園・単一品種のロットです。
TYPICAで購入したタンザニアのコーヒーというと、昨年ご紹介したTembo Temboという農園のロットを覚えている方も多いかもしれません。
フルーティで明るく、クリーンカップに優れたコーヒーで、THE COFFEESHOPでは初となるタンザニア・スペシャルティロットでした。

6月14日発送のコーヒー①Tanzania/Acacia Hills Kent(タンザニア/アカシア・ヒルズ・ケント)

今回のAcacia Hillsも、Tembo Temboと同じくレオン・クリスティアナキスというキュレーターから紹介いただいた農園。
チェリーはまず畑で選別され、次にウォッシングステーションに運ばれて(主に夕方に)果肉除去を行います。
12〜13時間の開放発酵を行い、よく発酵したところでコーヒーを回して発酵度を確認。
その後、ウォッシングし、浮遊物と分けて、P1・P2のグレード分けを行います。
乾燥台で約13〜16日間(天候によってパーチメントの水分量が12%になるまで)乾燥させ、倉庫に送られます。

6月14日発送のコーヒー①Tanzania/Acacia Hills Kent(タンザニア/アカシア・ヒルズ・ケント)

届いたコーヒーは、まずカシスやオレンジ、グレープフルーツのようなフルーティな風味が印象的でした。
明るく甘さを伴った酸味で、昨年に引き続き一般的なタンザニアのコーヒーとは一線を画すような趣きがあります。
冷めるにつれてアシディティは穏やかになっていく印象をもちますが、同時にほのかにジャスミンのようなフローラルな香りを感じるようになりました。
この華やかさはを感じるのは、やや液体がぬるくなってから冷め切る手前までの短い時間でしたが、確かにタンザニアの高いポテンシャルの気配を感じさせるフレーバーでした。

レオン氏がキュレーションするタンザニア・スペシャルティ、新しいTHE COFFEESHOPの定番ロットになるような気がします。どうぞお楽しみください!

【キュレーター】レオン・クリスティアナキス
【農園】アカシア・ヒルズ
【地域】オルディアニ、カラツ
【標高】1,750〜1,950m
【グレード】AB
【品種】ケント
【生産処理】フリーウォッシュド

6月14日発送のコーヒー②China/Menglian Double Anaerobic Washed(中国/モウレン・ダブルアナエロビックウォッシュド)

プーアルと同じエリアに属するモウレン地域は高品質なスペシャルティコーヒーが育てられることで有名です。
またミャンマーとの国境沿いに位置し、多くの少数民族(タイ族、ワ族)が暮らす地域として知られ、彼らの多くがコーヒーで生計を立てています。

栽培方法や精選技術が高い生産者が多い為、発展的なプロセスによりユニーク且つ明確なフレーバーが得られ、品評会の上位のほとんどはこの地域で育つコーヒーです。
その中でもTian YuはBest of Yunnanにおいて常に上位に入る実力のある農園です。 1,500m以上の地域は霜の影響が大きく、雲南でも生産地域が限られます。

Tian yuの場合、高い標高でも育てることができるエリアがあるため、より栄養が凝縮されたチェリーを栽培することができます。 このロットでは完熟チェリーを採摘後に低温無酸素での発酵を72時間を行い、脫皮後も再び72時間同様の発酵を加えます。
その後、ウエットミルで処理を行い、25日間、水分11%~12%まで自然乾燥させ脱穀します。 コーヒーのポテンシャルを引き上げ、より綺麗な酸味やユニークなフレーバーを生み出す為、予備発酵を行うプロセスを行っています。

6月14日発送のコーヒー②China/Menglian Double Anaerobic Washed(中国/モウレン・ダブルアナエロビックウォッシュド)

モウレン県のTian yuでは約250世帯、1400人以上がコーヒー生産に従事します。
それを率いるYe Ping(葉さん)はこの村で初めてスペシャリティコーヒーの生産を始めた一人です。
2013年、初のコーヒー収穫は霜の影響で全滅。諦める農家を必死で説得し、自費で購入した苗を村全体に配り、農家を団結させました。
現在のこの地域のコーヒー生産の発展は彼女なしでは語ることはできません。
Bestof Yunnanの上位に安定して入る生産技術も、彼女の試行錯誤と大手企業からの協力を結びつけた努力の成果です。 この村に訪れると、丁寧に管理されたコーヒーと、それに携わる女性たちの生き生きとした姿を見ることができます。
この村の女性にとって、コーヒーは自らの生きがいそのもの、そして誇りなのでしょう。

6月14日発送のコーヒー②China/Menglian Double Anaerobic Washed(中国/モウレン・ダブルアナエロビックウォッシュド)

雲南のコーヒー生産の大部分はカティモール種が栽培されており、主にカティモールP3/P4などの雲南の土地に合わせた品種が栽培されています。
品種特性は他の品種に比べ、酸質が穏やかで、鉄っぽさ、アーシーさを感じることが多く、スペシャルティグレードにするためにはどうしてもこのネガティブな要素と戦う必要がありました。
近年盛んに取り入れられるようになった予備発酵(ダブルファーメンテーション)やアナエロビックもこのためです。

Tian Yuでのダブルファーメンテーションは土着の微生物の働きや、標高が高い地域ならではの昼夜の寒暖差を活かし、発酵を進めていきます。
一般的にpHやBrixを参考に管理しますが、彼らの場合、色や香りによる数字に現れない情報を細かく確認し、より重要視します。
発酵中のコーヒーチェリーは、微生物の働きに伴いカロリーが失われていきます。
発酵が進むと微生物の侵食はパーチメントの内部まで及ぶ場合があり、その場合、生豆はカロリーを奪われ品質が損なわれます。カティモール種はこの発酵による耐性が比較的強いのも、相性の良いポイントです。
また、一般的にコーヒーチェリーは収穫時で品質は決まると言いますが、雲南においては発酵までもがその地域のテロワールであり、地域ごと、またはその年の気候に大きく左右されると言われます。

収穫期の農園では、あちこちに大量の発酵樽と発酵袋を見かけます。
日差しや天候により定期的に位置を動かし、発酵を細かくコントロールされ、品質維持に努めます。
Double Anaerobic Washed Processの2022年ロットの場合は、72時間と長い時間発酵されますが、この発酵により酸質が向上し、熱帯果物を思わせるユニークなフレーバーを形成に成功しました。
またクリーンな印象が強いのは、発酵後の丁寧な精選による影響も大きいです。

6月14日発送のコーヒー②China/Menglian Double Anaerobic Washed(中国/モウレン・ダブルアナエロビックウォッシュド)

雲南はけして中米やアフリカのように恵まれたテロワールがあるわけでなく、さまざまな品種が適する環境とも言えません。
しかしそれはスペシャルティコーヒーをつくることができない理由ではないと彼らは証明してくれます。
土地と環境にあわせて、人と自然が協力し合って一つのテロワールを生み出しているのでしょう。
彼らの品質に対するあくなき探究の成果はようやく軌道に乗ったところです。
今後、さらなる成長をしていく雲南、そしてその中でも最高の生産地の一つであるモウレンのコーヒーをお楽しみください!

【生産者】Ye Ping
【農園】Tian yu
【生産地方】Yunnan、Menglian
【標高】1,750m
【品種】Catimor T8667/T5176
【生産処理】ダブルアナエロビックウォッシュド

進化する中国コーヒー市場

今回のBDS、シングルオリジンプランの皆さんには、中国・雲南省から届いたコーヒーをお届けしています。
雲南省の名産といえば、プーアル茶やウーロン茶がよく知られていましたが、近年ではコーヒー生産にも非常に力を入れているとのこと。
実際、THE COFFEESHOPでも去年くらいから雲南のサンプルを目にする機会が増えてきました。

雲南は、中国で最大のコーヒー生産地で、中国産コーヒーの98%が雲南に集中しているそうです。
2021年の作付面積は約9万3千ヘクタール、生産量は10万トンを超え、産業全体の生産額は316億3千万元(1元=約20円)に達しているのだとか。
もちろん中南米などに比べるとまだまだ少ない量ですが、業界内でも存在感を増しているのは間違いないと思います。

また、中国は生産国としてよりも、むしろ消費国としての市場拡大が著しく進んでいます。
もともとお茶文化の中国ですが、近年ではコーヒー文化も急速に浸透しているそう。
今年に入ってからの調査では、上海にあるカフェの店舗数は8,530店にものぼり、ニューヨークやロンドン、東京などを上回り世界一を誇るのだとか。
さらに、大都市だけでなく地方都市にも中国国内のコーヒーチェーンが店舗展開を進めており、なんと全土でのコーヒーショップ数は11万7300店にものぼるそう。
これは結構とんでもない数字です。日本国内にあるすべてのコンビニの数を合わせても6万に届かないので、その多さがわかりますね。

中国、特に上海や北京などの大都市では、スペシャルティのロースターも次々台頭しています。
実は先日、上海のロースターの豆を何種類かカッピングさせていただける機会があったのですが、どのお店も良い豆をきちんと焙煎されていました。
特に、『coffee buff』というお店のコーヒーが、非常にクリーンで印象的でした。(検索してもお店の情報があまり出てきませんでしたが、上海にあるロースターのようです)

そして、中国といえば近年コーヒー器具の開発でも注目されていますよね。
THE COFFEESHOPで取り扱っているものだけでも、TIMEMOREやVaria(香港)など、中華系メーカーの台頭は目を見張るものがあります。

人口14億人にものぼる中国ですから、これまでコーヒーをあまり飲まなかった人たちが急に嗜み始めると、コーヒー業界に与えるインパクトはやはり相当なものがあると思います。
新しいロースターや生豆、コーヒーグッズが増えて業界が盛り上がることはもちろん歓迎すべきことですが、購買力のある中国が買付を強め始めると、世界的にコーヒー豆が足りなくなってしまうことも予想されます。
いずれにせよ、これからさらに中国の動向はコーヒー業界にとっても無視できないものになっていきますね。
またなにか発見があったら、お伝えしていきたいと思います!

それでは良いコーヒーライフを!

次回発送予定

BEANS DELIVERY SERVICE 次回発送→ 6月28日(水)予定

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