2023年3月8日発送のコーヒー定期便はコロンビアとブラジル!BDS MAGAZINE vol.223

2023.03.08


多種多様なコーヒーの違いとその個性、そしてなによりそのコーヒーの美味しさに夢中になれる、そんなコーヒー体験を毎月お届けする、コーヒー豆の定期便”Beans Delivery Service“(BDS)。

3月8日発送の2種類のコーヒーについてお知らせいたします!

ごあいさつ

こんにちは!
2023年3月8日発送のBEANS DELIVERY SERVICE MAGAZINEです!

毎週水曜日21:00〜配信しているロースター萩原のライブ配信ですが、今夜の放送はちょっとしたお知らせがありますので、タイミング合う方はリアルタイム視聴をおすすめいたします。

今回発送のコーヒー豆についてもお話しますので、どうぞお楽しみに!

それでは、BDS MAGAZINE3月8日号、スタートです!

3月8日発送のコーヒー①Colombia / Café Pitaya Dragon Fruit(コロンビア / カフェピタヤ・ドラゴンフルーツ)

今回お届けのカフェピタヤ・ドラゴンフルーツは、コロンビア中南部のウィラ県でいくつかの小規模農家のコーヒーを集めて作ったロットです。
コロンビアの小規模農家の多くは、優れた品質のコーヒーを作ることができても、ひとつの農園でロットを形成するには収量が足りず、シングルオリジンとして売り出すことはできない場合が多くあります。
そうなると、コモディティコーヒーとして比較的安価な価格で売ることしかできず、市場価格の変動によっては農家を続けていくのに十分な収入を得られないこともあります。

今回のロットを形成し届けてくれたのは、オランダ、アメリカ、ブラジル、コロンビアに拠点を持ち、多角的にコーヒービジネスを行うコーヒーカンパニー・Coffee Quest。
彼らの生産地での取り組みは、現在とこれからのスペシャルティコーヒー生産を考える上で非常に興味深いものです。以下、Coffee Questのロナルド・デ・ホンメル氏へのインタビューより抜粋してご紹介します。

コロンビアのコーヒー業界は何十年にも渡って、コロンビアコーヒー生産者連合会と限られた大手の輸出業者に独占されてきました。
15年ほど前に市場が開かれ、コーヒー生産者が自ら輸出のライセンスを取得できるようになり、この変化によって多くの生産者はコーヒーで生計を立てられるようになりました。
コロンビアのコーヒー生産者の90%は小規模生産者で、その多くが貧困に近い生活を送っていましたが、小さな農園しか持っていなくても、高い収入を得られる可能性が生まれたのです。
平地にあり工業化されているブラジルの農園と異なり、コロンビアの農園の多くは山の急斜面にあるため、収穫を手作業で行う必要があります。当然、手間とコストがより多くかかり、価格の低い国際価格での取引を行なっているだけでは貧困から抜け出すことは難しいのが実情です。
つまり、コーヒーの品質と価格を高めることがコロンビアのコーヒー生産を存続させる唯一の方法だと、ロナルド氏は語っています。

そのために、前述した価値のあるロット形成を始め、農園への栽培指導や自社のウォッシングステーションを開設。
また、生産者への適正な対価の支払いにもこだわりをもっており、それが当たり前になるために事業規模を拡大していくと語っています。
実際にCoffee QuestのHPを見ると、ロットごとに価格の内訳が明記されており、生産者の取り分や輸入・輸出に関わるコストがいくらなのか、一目でわかるようになっています。

https://www.thecoffeequest.com/narino-stations/
(リンク先英語サイト注意)

私たちロースターとしても、こうしたエクスポーターから生豆を輸入することは、とても意義あることだと考えています。
そして当然ながら、コーヒーの品質も実に素晴らしいものです。
ロット名の”ドラゴンフルーツ”というのは、その名の通り精製・発酵のタイミングでドラゴンフルーツの果汁(果肉)を加えていることを意味します。
ただ、そのフレーバーが全面に出ているという印象ではなく、あくまでフレーバーの補強という程度に収まっており、インフューズドコーヒーの中ではとても上品な印象を受けます。

TYPICAのサイトにはCoffee Questロナルド・デ・ホンメル氏へのインタビュー全文が掲載されていますので、ぜひコーヒーを飲みながらご覧ください!

Coffee Quest Colombia

【生産者】Various Producers
【地域】Huila、Garzon / Santa Maria
【標高】1,600~2,150m
【品種】Caturra, Colombia, Castillo, Bourbon
【生産処理】ウォッシュド(+ドラゴンフルーツ)

3月8日発送のコーヒー②Brazil / Sitio da Torre Natural(ブラジル / シティオ・ダ・トーレ・ナチュラル)

シティオ・ダ・トーレ農園は、ミナスジェライス州カルモデミナス、マンチケイラ地区に位置し、標高1,100m~1,300mの高地にコーヒーが植えられています。
当農園では2003年より水洗設備やパルプトナチュラルの生産を開始。4世代、実に200年に亘る家族経営の中での新たな試みが始まりました。

伝統的なナチュラルコーヒーの生産ももちろん続けながら、丁寧な栽培ケアはより素晴らしいクオリティを生み出すという信念のもと、特に収穫後の木々の状態に気を使い、入念な手入れを行っています。
乾燥は伝統的なセメントパティを使い、敷き詰められたチェリー・パーチメントは日に何度も攪拌されます。栽培地区ごとに管理されたロットは、すべてナンバリングされ、それぞれのロットがどのように生産処理されたか、詳細なトレーサビリティ情報を入手することができます。

このシティオ・ダ・トーレ農園のコーヒーは、THE COFFEESHOPでは毎年のように取り扱っている定番の農園です。昨年はTaste of Harvestという品評会に入賞したロットを深煎りにしてご紹介していたので、覚えている方も多いかもしれません。

今年のロットの特徴は、ベリーやグレープを思わせるような甘くジューシーな果実味です。温度帯が高いときにはストロベリーやブルーベリーのような印象があり、冷めるにつれてホワイトグレープやトロピカルフルーツのように変化していきます。

良い意味でいわゆるブラジルのコーヒーらしからぬフレーバーで、きっと驚きとともに美味しさを感じていただけるはず。その個性を活かすために、中煎りやや後半程度で仕上げています。

ブラジルはカルモ・デ・ミナスの名門農園から届いたジューシーで瑞々しいニュークロップ、ぜひゆっくりとお楽しみください!

【生産者】アルバロ・アントニオ・ペレイラ・コリ
【農園】シティオ ダ トーレ
【地域】マンチケイラ、カルモ・デ・ミナス
【標高】1,100m~1,300m
【品種】イエローブルボン
【生産処理】ナチュラル

RTDとスペシャルティ

みなさん、普段缶コーヒーって飲んでますか?

コンビニはもちろん、どの自動販売機にも必ずと言っていいほど並んでいる缶やペットボトルのコーヒーですが、それらのように買ってすぐに飲める飲料のことを、『RTD=Ready to Drink』と言ったりします。コーヒーやお茶など、本来的には飲料にするために何かしらの手間が必要なものが、すぐに飲める状態で販売されている、という意味ですね。

RTDを代表する飲料として実にいろいろな種類があり、テレビCMも数多く放送しているのが、最初に挙げた缶コーヒー。実は、世界で初めて大々的に缶コーヒーを売り出したのは、日本の企業だと言われています。

1969年、上島珈琲(現UCC)が発売したのが、ミルクと砂糖が入った『UCCコーヒーミルク入り』。大ヒットを記録したこの缶コーヒーは、累計販売数で150億本以上、「最も長く販売されているRTD缶コーヒーブランド」としてギネス記録にも認定されているようです。

缶コーヒーの市場は、日本をはじめ東南アジア諸国でも人気があるそうで、2027年までにRTDコーヒー市場は420億ドルを超えると予想されています。

しかし、もしかするとこのBDSマガジンを読んでいる皆さんにとっては、実は缶コーヒーってしばらく飲んでない、という方も少なくないのではないでしょうか?

それもそのはず、缶コーヒージャンルにおいての売れ筋はミルクと砂糖がたっぷり入ったものが多く、同じ”コーヒー”と言っても、BDSでお送りするようなスペシャルティコーヒーとは全くの別物のように思われるかもしれません。

ご自宅で豆から挽いて、レシピ通りにお湯を注いでコーヒーを作るのが当たり前の人にとっては、缶コーヒーが縁遠くなってしまっても致し方ないですよね。逆に言うと、普段からRTDコーヒーを中心に飲まれている方にとっては、豆から挽いて淹れるなんて面倒くさい!と思っている方もとても多いはず。むしろ、平均的な感覚からすればそう思われる方の方が多いかもしれませんね。

そもそもですが、コーヒー飲料を飲む目的として「美味しいから」ではなく「カフェインを摂取するため」と考えている場合も多いそう。やはり、RTDコーヒーとスペシャルティの間には、かなり大きな乖離があるように思われます。

このRTDとスペシャルティの間にある乖離、個人的にはもっと狭まっていくべきだと思っています。RTDの得意な流通させる力、
そしてスペシャルティの品質と持続可能性、その両方が良い塩梅で混ざり合う地点があるはずで、そこを探っていくことはコーヒー業界が持続可能であるために大切なことだと思います。

そう考えたときに、個人的に注目していたのが丸山珈琲さんの発売したスペシャルティ・ペットボトルコーヒー、『丸山珈琲のブラックコーヒー[無糖]』。

ホンジュラスのスペシャルティコーヒーを使用したこのRTD商品は、まさしく両方の良いところをうまい具合にミックスしたコーヒーになるのでは、と思っています。実際、売れ行きは好調なようで、販売店も順調に拡大していっているとのこと。

今後、より多くの人にスペシャルティを知ってもらうために、RTD×スペシャルティの商品がもっと増えていくことを期待したいと思います。

そしていつの日か、THE COFFEESHOPのオリジナル缶コーヒー(ちゃんと美味しくて価格も納得できる範囲の!)が作れたらいいですね。

それでは良いコーヒーライフを!

次回発送予定

BEANS DELIVERY SERVICE 次回発送→ 3月22日(水)予定

毎月1〜2回(※)お届け!とっても便利で美味しいスペシャルティコーヒーをお届けする、コーヒー豆の定期便。
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