2月9日発送のコーヒー定期便はメキシコとコスタリカ!BDS MAGAZINE vol.197

2022.02.09


多種多様なコーヒーの違いとその個性、そしてなによりそのコーヒーの美味しさに夢中になれる、そんなコーヒー体験を毎月お届けする、コーヒー豆の定期便”Beans Delivery Service“(BDS)。

2月9日発送の2種類のコーヒーについてお知らせいたします!

2月10日(木) 19:00〜 Instagram、YouTubeライブ配信で、お送りしたコーヒーについてご紹介します!

Instagram ライブ配信
YouTube ライブ配信

今回お届けのコーヒー豆の詳細、おすすめの抽出方法や、フードペアリングなども企画中。
配信はどなたでもご覧いただけます。ぜひチェックしてくださいね!

※いつもは金曜日19:00〜実施していますが、今回は祝日のため木曜日の配信となります。ご注意くださいませ。

ごあいさつ

こんにちは!
2022年2月9日発送のBEANS DELIVERY SERVICE MAGAZINEです!

先週ごろから、日本中のロースターの大敵だと僕が思っている春の厄介者、花粉が飛散しはじめましたね。
何を隠そうわりと重めの花粉症である僕は、毎年この季節になるとくしゃみや鼻水、偏頭痛に悩まされています。放っておくと焙煎やカッピングに支障が出るので、あの手この手で対処しています。
同じ悩みをお持ちの方も多いと思います。コーヒーを美味しく飲むためにも、しっかり対策をしてこのシーズンを一緒に乗り切りましょう!

それでは、BDS MAGAZINE2月9日号、スタートです!

2月9日発送のコーヒー紹介

Mexico/Puebla Dos Rios(メキシコ/プエブラ・ドス・リオス)

今回のコーヒーを届けてくれたヘルナンデス一家は、プエブラ州にて合計しても3ヘクタールにも満たない土地でコーヒーを栽培しています。

彼の農園の標高は、メキシコで一般的に見られるよりも高く、ティピカやブルボンのような先祖伝来の品種には理想的です。
彼ら家族は、チェリーのまま直接ミルへとコーヒーを運んでいきます。コーヒーは通常収穫されたその日のうちに運び込まれ、発酵槽に20~24時間付け込まれた後、その後の精製工程へと移されます。

従来、メキシコ産のコーヒーは安価で、そのナッツ感やチョコレート、また少しのフルーティさから、安いブレンド用のコーヒーというイメージを持たれていました。
ですが、近年の高知栽培のメキシコ産コーヒーは素晴らしく複雑味があり、シトラスやリンゴのような酸味、バランス良くチョコレートのような甘みを持つものも増えています。

メキシコはここ10年ほどの間に長い道のりを辿り、間違いなく期待を上回るロットを生み出す生産国に変貌を遂げました。
今回お届けのロットも素晴らしくコンプレックスでユニーク。温度が高いにはパイナップルのようなフレーバーをはっきりと感じ、次第にまるで杏仁豆腐のような独特な甘さの印象が現れてきます。
間違いなくこれまでのメキシコのコーヒーのイメージを覆してくれるような一杯に仕上がっています。

【農園】Dos Rios、Tecalzada、Patitla、Limontla and El Centro farms
【農園主】ヘルナンデス一家
【地域】Dos Rios、Chichiquila、Puebla
【標高】1,694~1,744m
【品種】ティピカ、ブルボン、カトゥーラ
【生産処理】ウォッシュド

Costa Rica/Cerro Alto La Rosa(コスタリカ/セロ・アルト・ラ・ロサ)

今回ご紹介のセロ・アルト・マイクロミルは、セントラルバレーのサンラファエル・デ・エレディア地区に位置しており、火山土壌の栄養をたっぷり吸収した色艶の良いチェリーが育っています。

マイクロミルは2006年に設立、ビンダス・カマチョ一家によって運営されています。
彼らがマイクロミルを始めたきっかけは、自営農園を後世まで続けられる環境を整えることでした。その目的のために最新技術を導入し、チェリーを最も効率良く精製出来るように整備。
環境への配慮も万全で、精製に使用した水は家畜の放牧地に散水し、 肥料として活用しています。

従業員への教育も徹底しており、完熟したチェリーだけを手摘みするのはもちろん、豆1粒1粒がしっかりと乾燥されているかも厳しくチェックされています。
彼らの理念は、「トップクオリティのコーヒーを楽しんでもらうだけでなく、 労働者がポジティブな社会的影響を担う」こととして、生産現場の幸せにもしっかりと目を向けています。

セロ・アルト・マイクロミルは、2010年から品種等のマイクロロットに特化しました。その結果、COEにも入賞実績があり、コンスタントにハイクオリティなコーヒーを作れる環境にあることが証明されています。

今回お届けのコーヒーは、ビジャサルチという品種の単独ロットです。
ビジャサルチ(Villa Sarchi)はその名の通りコスタリカのサルチ村で発見されたというブルボン系の変異種で、明るく綺麗で甘さのある酸味が特徴的なコスタリカ・スペシャルティを代表する品種のひとつ。
今回のロットも、まさしくそんなビジャサルチの特徴が明確に現れていると言えます。

シトラスやアップル系の明るい酸味と、はちみつや同じくリンゴの蜜のような甘さがあり、甘酸っぱい果実味が口の中に広がる1杯です。
この甘酸っぱさは、通常”プラム”と表現することが多いフレーバーですが、より印象的にお伝えできるようにあえて”スモモ”と書かせていただきました。

ぜひお楽しみください!

【農園】ラ・ロサ農園
【マイクロミル】セロ・アルト
【農園主】ビンダス・カマチョ一家
【地域】セントラルバレー
【標高】1,600m
【品種】ビジャサルチ
【生産処理】レッドハニー

「カッピングって必要なくない?」

先日、いつものようにTwitterを眺めていたところ、こんなツイートが流れてきました。

”ロースターの品質チェックでカッピングしているところ多いけど、お客さんはカッピングで飲まないし大抵はペーパードリップなんだから、わざわざカッピングでチェックする必要なくない?ペーパードリップで確認しないと意味ないと思う”

(この記事を書いている時点で、このツイートをしていたアカウントが消えてしまったため、なんとなくこんな感じの内容だった、という文章です。)

このツイートに対しては、僕のタイムライン上で軽く議論が巻き起こっていました。先に言っておきますが、僕個人としては当然カッピング賛成派です。
とはいえ、「確かになんでわざわざカッピングするの?」と思われる方もいらっしゃるかと思いますので、今回はカッピングの必要性についてご紹介しようかと思います。

ロースターにとってカッピングが必要である理由は大きく2つあると思っています。
まず1つ目は「評価の客観性」のためです。

カッピングは、決められた規格・手順の上で、抽出方法による変数をできるだけ減らして、コーヒー豆の品質だけをチェックするための手法です。みなさんご存知の通り、コーヒーは淹れ方や淹れる人によって味が大きく変わるもの。同じ豆でもネガティブな要素が出てしまったり、逆にそれを隠すように抽出することもできます。
ペーパードリップで淹れたときと比べて、カッピングによる評価だと、ポジティブな風味もネガティブな要素もそのまま現れるような印象になります。つまり、抽出という主観を排除した客観的な評価、というわけですね。

実際、お店でコーヒーを抽出するときも、カッピングによってその豆の個性を確認した上で抽出レシピの微調整をする、という順番になります。言い換えると、カッピングの味わいはそのコーヒーの等身大の姿、ドリップなどで抽出した味わいはベストな状態を目指した姿、と言えるかもしれません。
豆を買ってくれるお客様に、より理想的な抽出方法をご案内するためにも、ロースターにとってカッピングは必要なものだと思います。

2つ目の理由は「共通言語としてのカッピング」です。

スペシャルティコーヒーにおけるカッピングのプロトコル(規約)は、代表的なものはSCA方式とCOE方式の2つで、どちらも全世界共通のルール。実際の厳密なプロトコルでは、サンプルの焙煎度・粒度・粉量水量などはもちろん、焙煎から何時間以内であること、水の成分に偏りがないこと、部屋の広さや照明の明るさ(!)にまで記載があります。

実際、そこまで事細かにルールに沿ったカッピングはCOEの審査会などでしか行われていないと思いますが、生産国でも消費国でもスペシャルティを取り扱う場面では、カッピングの評価をベースに取引が行われます。
そもそも、あるコーヒーがスペシャルティとして流通するためには、カッピングによって一定以上の評価を得ることが必要条件。つまり、カッピングを抜きにしては自分たちのコーヒーがスペシャルティかどうかも判断できない、と言えます。

また、焙煎技術を競うコンペティションでも、ジャッジはカッピングによって行われます。大会の規模によってはロースターの人生が変わるようなものもありますので、より客観的な評価ができるカッピングが採用されるのは当然のことですよね。カッピングで味をとることは、ある意味世界基準で自分たちのコーヒーを見て、産地や仕入先と同じ目線で会話をするために必要な『共通言語』と言えるのです。

もちろん、カッピングだけが全てではなく、お店ではペーパードリップやその他の抽出方法などいろいろな角度からコーヒーを見ていきます。コーヒー屋としてのゴールは『お客様の手にしたカップの中のコーヒーが美味しいこと』ですので、そのための手段の一つとしてカッピングがある、というわけです。

思いがけず熱がこもって長い文章になってしまいましたが、なぜロースターはカッピングをするのかについて、興味をもっていただけたら嬉しいです。

THE COFFEESHOPではオリジナルグッズとしてCOE公式規格のカッピングスプーンとカッピングボウルを絶賛準備中。発売開始時にはBDS会員のみなさまへ先行でご案内いたしますので、もう少しだけお待ちいただけますと幸いでございます。

それでは良いコーヒーライフを!

次回発送予定

BEANS DELIVERY SERVICE 次回発送→ 2月23日(水)予定

毎月1〜2回(※)お届け!とっても便利で美味しいスペシャルティコーヒーをお届けする、コーヒー豆の定期便。
THE COFFEESHOPが直接ホンジュラスで買い付けた、日本初上陸のコーヒー豆など、よりマニアックな内容を楽しむことができますよ♪
(※プランによって異なります。)

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