10月14日発送のコーヒーについてお知らせ!BDS MAGAZINE vol.165(コーヒー定期便)

2020.10.14


多種多様なコーヒーの違いとその個性、そしてなによりそのコーヒーの美味しさに夢中になれる、そんなコーヒー体験をお届けする、コーヒー豆の定期便”Beans Delivery Service“(BDS)。

10月14日発送の2種類のコーヒーについてお知らせいたします!

スペシャルティコーヒー定期便(サブスクリプション)Beans Delivery Service vol.164

目次

  • ごあいさつ
  • 10月14日発送のコーヒー紹介
  • 何度のお湯で淹れても味は変わらない!?
  • 次回発送予定

ごあいさつ

こんにちは!
10月14日発送のBEANS DELIVERY SERVICE MAGAZINEです!

気がつけば10月も半ば、今年は例年になく季節が過ぎるのが早いような気がします。
あと3ヶ月ほどで2020年もおしまい。
残り数回となったBDSのお届けですが、どれも自信をもってご紹介できるオリジンが揃っていますので、どうぞお楽しみに!

それでは、BDS MAGAZINE 10月14日号、スタートです!

10月14日発送のコーヒー紹介

India/Karadykan Natural

まずはインド南部より、毎年秋の定番にもなりつつあるナチュラルプロセスのご紹介です!

アパドゥライ夫妻を中心に運営されているサンガメシュワル・コーヒー・エステート社は、カラディカン農園を含め、3つの農園を運営しています。

インドでは、コーヒーは1993年まで政府の専売品。
生産者は、チェリーまたはパーチメントの状態で政府にコーヒーを納品していましたが、1997年には完全自由化となりました。

カラディカン農園があるのは、インド共和国の南西に位置するカルナータカ州チクマガグール県の、ババブダンギリという自然豊かな森が存在する場所。
ここカルナータカ州では、インドコーヒーの約80%を生産しており、最初にインドへコーヒーが伝わった場所とされています。

農園の標高は1,000m~1,150mに位置し、肥沃な大地と豊かな自然に育まれています。
4月~8月にかけて雨季に入り、収穫シーズンの12月~3月にかけては乾季となっています。
北緯125度と赤道に近い為、イチジクやネロリの木といったシェイドツリーを植え、直射日光から木や土を守ります。

土壌や周囲の環境、野生生物、森林の保護のため、化学物質の使用は最低限に抑えられ、作業の大部分は手作業。
同農園の敷地内では、コーヒーのほか、カルダモン、ココナッツ、ビンロウ、コショウなども栽培されています。

カラディカン農園では、従業員に対する福利厚生がしっかりしています。
農園内には150の家族が常雇いとして生活しており、この農園で働く方には、家が無償で提供されています。
その他、児童所や病院など無料で利用出来るなど、賃金も含め、手厚い社会保険を受ける事が出来、収穫シーズンには、農園外から250人ほどの従業員を雇用します。
その雇用体制が、高品質なコーヒーを作る上で非常に大きなモチベーションとなります。

農園内はもとより、水洗処理場なども清潔に保たれており、従業員の教育も行き届いています。

昨年もBDSでご紹介したカラディカン農園ですが、今年のロットも素晴らしい出来でした。
ラズベリーやブドウを思わせるジューシーな酸とナチュラルプロセスならではの芳醇な醸造感が合わさり、まるで赤ワインのような不思議なカップ。
スパイシーな印象も相まって、インドらしいエキゾチックなコーヒーに仕上がっています。

【生産者】スリラム・アパドゥライ
【農園】カラディカン・エステート
【地域】カルナータカ州チックマガルール県ババブーダンジリ ビダレ村
【標高】1,000m~1,150m
【品種】カティモール
【生産処理】ナチュラル

Guatemala/El Mirador

続いてご紹介するのは、グアテマラ・ウエウエテナンゴより、爽やかなウォッシュドプロセスのご紹介です!

エル・ミラドール農園は、1.75Haと少ない面積しかない小規模農園です。
グアテマラにはこのような小規模生産者が数多く存在し、彼らは信頼できるバイヤーを通して世界に向けてコーヒーを出荷しています。

今回、エル・ミラドール農園のコーヒーを日本へ紹介してくれるのは、プリマヴェーラコーヒーというエクスポーター。
プリマヴェーラは自身も農園を持つ生産者ですが、ユニークな小規模生産者の多いウエウエテンゴやフライハーネスからチェリー・パーチメントコーヒーを買い取り、自社のミルで精製、エクスポーターとして活動しています。
プリマヴェーラのコーヒーが日本で販売されるのは今年が初めてで、以前BDSマガジンでもお話したインポーター・TYPICAが私たちに紹介してくれました。

エル・ミラドール農園の生産者マルガリート氏はこの土地を13年間管理しており、その間、彼はこの農園を完全に復活させることに成功しました。
それは簡単なことではありません。彼が最初に土地を購入したとき、コーヒーの木は古くて手入れが行き届いていない状態でした。
彼は農場を復活させるために、慎重に新しい木を播種し、剪定と植物管理を実施しました。

コマーシャルコーヒーの価格が下落している最中、そこに投資するのは難しいので、彼らは代わりにスペシャルティコーヒーを生産する方向を選択しました。
現在、長年の努力の結果、マルガリート氏と彼の家族は、信頼できるプリマヴェーラのようなバイヤーとはるかに良い価格で取引できるようになりました。
彼は彼と家族のよりよい未来を得るために、自分の収益を農園に投資するように努め、将来にわたってコーヒーの品質に投資し続けたいと願っています。

彼はこう語ってくれました。
「私たち生産者として最良の選択は、この地の環境をうまく活用し、質の高いコーヒーを生産することです。
それによって価格が良くなり、農園や精製所に投資を続けることができるのです」

今回お届けのエル・ミラドール農園のロットは、まるで白ワインのように爽やかでフルーティなコーヒー。
名産地ウエウエテナンゴらしい、明るくフレッシュな酸味があります。
一般的なグアテマラのコーヒーと比べるとちょっと驚くような爽やかさを持ったエル・ミラドールのロット。
グアテマラ・スペシャルティの多様性を再認識できるようなコーヒーに仕上がっています。

【生産者】マルガリート・レシーノス
【農園】エル・ミラドール
【地域】ラ・リベルタード、ウエウエテナンゴ
【標高】1,750m〜1,810m
【品種】カトゥーラ、カトゥアイ、ブルボン
【生産処理】ウォッシュド

何度のお湯で淹れても味は変わらない!?

普段から自分でコーヒーを淹れる皆さんにとって、抽出に使うお湯の温度で味が変わる、ということはもはや常識かと思いますが、その常識が覆るような、ちょっと驚きのレポートが先日SCA(Specialty Coffee Association)より発表されました。

そのレポートとは、「ドリップコーヒーの抽出に使うお湯の温度は、最終的に出来上がる液体の「TDS」と「収率」が一緒であれば、フレーバープロファイルに直接影響しない」というものです。

…難しい言葉が出来てきましたので、少し説明しますね。

「TDS」とは「Total Dissolved Solid」の略。日本語に直すと「総溶解固形分」。
これは簡単に言うと液体の「濃度」のことで、液体中にどれくらいの成分が溶け込んでいるか、を指します。
コーヒーの世界では一般的に%で表記され、このTDSの数値が高いほど、来上がりのコーヒーの濃度が濃い、ということができます。

続いては「収率」という言葉。
これもコーヒー業界ではよく使われる言葉ですが、これは「コーヒーの粉からどれくらい成分が液体に溶け込んだか」を表す数値です。
こちらも%で表記されるのでTDSと混同されがちですが、TDSは単純に液体の濃度を表すのに対して、収率はコーヒーの粉からどれくらいの割合の成分が溶け出したか、を指すので、似て異なる指標となります。

さてさて、話を抽出に使うお湯の温度に戻します。
今回SCAで行われた実験では、87℃、90℃、93℃の3つのお湯を使って抽出を行いました。
それぞれのカップは、挽き目や抽出時間を変え、出来上がりのコーヒーのTDSと収率は一緒になるように調整。
すると、官能テストの結果、この3つのカップには味の違いがない、ということが判明したのです。

つまり、抽出に使うお湯の温度は、出来上がったコーヒーの風味に直接関係するのではなく、TDSと収率の差が、フレーバープロファイルに影響する、ということがわかったのです。
SCAのレポートでは、これを「重要なのは目的地であり、そこにたどり着くまでの正確なルートではありません。」と説明しています。

思いがけずややこしい話になってきましたが、これはもちろんドリップコーヒーの抽出にとって湯温は重要ではない、という話ではないので、注意が必要です。

普段ドリップコーヒーの抽出をする場合、お湯の温度が高すぎると、苦味や酸味のボリュームが大きく、ともするとキツく感じてしまうことがあると思います。
成分を水に溶かすとき、水の温度が高ければ高いほど、成分は水に溶け出しやすくなります。
(砂糖や塩を水に溶かすのをイメージするとわかりやすいですね)

抽出湯温が高すぎるときに味がキツく感じるのはこれが原因で、出来上がりのコーヒーのTDSと収率が高すぎる、抽出過多になってしまっている、ということ。
簡単に言えば、苦味や酸味といった成分が多すぎて味がキツく感じてしまう、ということですね。

今回のお話、結局のところ、日常でコーヒーを淹れる場面では、お湯の温度が高いほど出来上がりは濃く・強くなり、低いほど薄く・弱くなる、ということに変わりはないのですが、私たちのようなコーヒーのプロからすると、抽出レシピの構築におけるヒントになるような話でした。
日々こうしたコーヒーに関する研究は世界中で行われているので、毎日それらをチェックするのも、コーヒーオタクには楽しいですね!

SCAのレポートは以下リンクで読むことができますので、興味のある方はぜひ読んでみてください!
(リンク先、英語なのでご注意)
https://sca.coffee/sca-news/read/just-published-brewing-temperature-and-the-sensory-profile-of-brewed-coffee

それでは良いコーヒーライフを!

次回発送予定

BEANS DELIVERY SERVICE 次回発送→ 10月28日(水)予定

毎月2回お届け!とっても便利で美味しいスペシャルティコーヒーをお届けするコーヒー豆の定期便。
店舗で販売していない豆もお届けするので、よりマニアックな内容を楽しむことができますよ♪

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