9月9日発送のコーヒーについてお知らせ!BDS MAGAZINE vol.163(コーヒー定期便)

2020.09.09


多種多様なコーヒーの違いとその個性、そしてなによりそのコーヒーの美味しさに夢中になれる、そんなコーヒー体験をお届けする、コーヒー豆の定期便”Beans Delivery Service“(BDS)。

9月9日発送の2種類のコーヒーについてお知らせいたします!

スペシャルティコーヒー定期便(サブスクリプション)Beans Delivery Service 163

目次

  • ごあいさつ
  • 9月9日発送のコーヒー紹介
  • コーヒー業界、21世紀最大の発見!?
  • 次回発送予定

ごあいさつ

こんにちは!
9月9日発送のBEANS DELIVERY SERVICE MAGAZINEです!

連日台風のニュースを見聞きする今日この頃、みなさまいかがお過ごしでしょうか?

災害への備えは常日頃から気をつけるとして、いざやってきたときには安全な家の中で過ごすのが一番。

万が一のときのための防災グッズと、家に閉じこもるために大切なコーヒー豆、どちらも早め早めに準備しておきたいですね。

それでは、BDS MAGAZINE 9月9日号、スタートです!

9月9日発送のコーヒー紹介

Costa Rica/Brumas San Miguel

まずは、中米コスタリカより、爽やかなハニープロセスのご紹介です!

このオリジン名の「ブルマス」は生産処理を行うマイクロミルを、「サン・ミゲル」は収穫した農園を表しています。

ブルマス・マイクロミルの経営者であるフアン・ラモン・アルバラード氏は、コスタリカ大学で熱帯植物学を専攻した農業技師です。

アルバラード家は150年もの間、コーヒー栽培に携わってきた歴史があり、現在は彼の家族及び親戚も含めた、5家族の農園のコーヒーチェリーを集荷して、生産処理を行っているマイクロミルです。

生産処理ラインはコロンビアのPenagos社製で、チェリーを受けるサイフォン式タンク、果肉除去機、水洗処理機のシンプルなラインで行なわれています。
水洗処理機でパーチメントからミューシレージ(粘液質)を除去し、パティオ(乾燥所)、アフリカンベットで乾燥処理されます。
最盛期このラインでは一日80ファネガ(1ファネガ/生豆46kg)の生産処理が行われます。

このミルのすばらしさは、集荷されたチェリーの熟度が均一なことと、セントラルバレーのなだらかな丘陵を吹き抜ける冷涼な風が、アフリカンベットのパーチメントの乾燥に好影響を与えることです。
ミューシレージ除去後の乾燥に最新の注意が払われるハニープロセスにおいて、このマイクロクライメットは心強い味方となっています。

オレンジやレッドアップル、チェリーのような明るい果実味が印象的で、優れたクリーンカップと相まって非常に爽やかなコーヒーです。
今回はその印象をより引き出すために、やや浅めの焙煎に仕上げています。

最高品質のコスタリカ・コーヒーの代名詞とも言えるブルマス・マイクロミル。ぜひゆっくりとお楽しみください!

【生産者】フアン・ラモン・アルバラード
【農園】サン・ミゲル農園
【マイクロミル】ブルマス・デル・スルキ
【地域】セントラルバレー・サンフランシスコ
【標高】1,200〜1,600m
【品種】ビジャサルチ
【生産処理】レッドハニー

El Salvador/Monte Sion

続いては、エルサルバドルが誇る有名農園から、秋の気配を感じる様なコーヒーのご紹介です!

ルイス・エルネスト・ウルティアさん、リリアーナ・ナルバエスさん父娘とご家族が営むラウサンヌ社は、1907年から3世代にわたってコーヒー栽培に従事し、現在はエルサルバドル西部のアパネカ山脈周辺に6つの農園を所有しています。

「モンテ・シオン」とは、6つの農園のうちの1つの農園名でもあり、同社が手掛けるコーヒーのブランド名でもあります。

この農園は、メソアメリカ生物回廊と呼ばれる自然保護区域に位置しており、絶滅危惧種の渡り鳥が羽を休めにやってきます。
周辺を山に囲まれた農園の中では、新鮮で涼しい風が吹くのを感じることができます。

敬虔なクリスチャンであるウルティアさん一家は社会貢献にも熱心で、農園の周辺地域や、農園の従業員とその家族のための健康・教育サポートに取り組む非営利団体を作り、託児所や学校、医療施設の建設・運営といった活動も行っています。

フレーバーの派手さこそないものの、優しい風味と甘さのあるバランスに優れたコーヒーです。
ほのかに感じるマロンのような風味は、日毎に近づく秋の気配を感じさせますね。
たっぷりと大きなマグでゆっくりお楽しみください!

【生産者】ウルティア一家、ラウサンヌ社
【農園】モンテ・シオン農園
【地域】アパネカ山脈 セロ・カチオ山
【標高】1,200m〜1,400m
【品種】ブルボン
【生産処理】ウォッシュド

コーヒー業界、21世紀最大の発見!?

耳の早いコーヒーファンの方はすでにお聞き及びかもしれませんが、今年の8月、コーヒー業界における21世紀最大の発見となるかもしれないニュースが発表されました。
それは、中東イエメンにて、新しいアラビカ原種グループが発見されたというもの!
その名も、「イエメンの母」を意味する「イエメニア(Yemenia)」。

これは、これから何十年先までのコーヒーの品種に関する世界を、大きく変える可能性を秘めた発見だと言えます。
…これだけ聞いてもいまいちピンと来ない方も多いかもしれません。
このすごさを、できるだけわかりやすくご説明したいと思います。

Qima Coffee Yemenia

出典: Qima Coffee

中東地域の西側に位置するイエメンは、バブ・エル・マンデブ海峡を挟んでアフリカ・ジブチ共和国と隣接しています。
このジブチ共和国は、コーヒーノキの原産国として知られるエチオピアの隣国で、エチオピアからの海上貿易のほぼ全てをジブチ港が担っています。

14世紀にはコーヒーノキはエチオピアからイエメンへと渡り、イエメンにあるモカという名前の港からヨーロッパへとコーヒーが伝来しました。
イエメンは、コーヒーという飲料が世界へ向けて広がっていくのに非常に重要な役割を担っていたのです。

もともとイエメンではとても古くからコーヒーの栽培が行われており、コーヒーの原種に近い品種が残っている可能性があるとされていました。
そこで、イエメンのコーヒーを中心に扱うコーヒー商社キマコーヒー(Qima Coffee)が、植物遺伝学者と協力して大規模な研究調査を行い、その結果発見されたのが、今回のイエメニアだったわけです。

さて、話を品種についてに戻します。

スペシャルティコーヒーとして流通するものはほぼ100%近くがアラビカ種という品種に属します。
アラビカ原種の原産地はエチオピア。
そこから突然変異や人口交配を繰り返しながら、様々な品種へと枝分かれしていきますが、中でも最も原種に近いとされるのがティピカとブルボンの2種でした。

現在世界中で栽培されているアラビカコーヒーのうち、その大部分はティピカ種グループか、ブルボン種グループに分けられます。

そんな中、今回発見されたイエメニアは、ティピカ種グループでも、ブルボン種グループでもない、全く新しい遺伝グループである、とされています。
この新しい遺伝グループの発見というのが、21世紀最大の発見とも言われる所以。

ちなみに、同様のティピカ・ブルボンとは異なるグループの発見は、19世紀に発見されたSL34、SL17以来で、約100年ぶりの出来事なんです。
新しい遺伝グループの発見の何がすごいのかというと、これによってコーヒー品種の多様性が、数倍、あるいは何十倍にもなる可能性が生まれたということ。

出典: Qima Coffee

現在確認されているアラビカ種は約200種類以上、そのほとんどはティピカとブルボン、2つのグループから派生したもの。
そこに新しいグループが加わるということは、単に品種が一つ増えるというだけではなく、人工交配の組み合わせの可能性が掛け算式に増える、ということになります。

コーヒーという植物の多様性が一気に広がる可能性を含んだこの発見は、まったく新しいコーヒーの風味や、病気に強い栽培品種の開発、ともすると、気候変動にも適応する品種の開発にも繋がる可能性を秘めています。

さらには、イエメニアを発見したキマコーヒーによると、「新しいグループのカップの品質は並外れたものである」ということ。
イエメニアの発見がいかに大事件なのか、おわかりいただけたでしょうか…?

このイエメニア、9月10日(明日!)に初めての国際オークションの開催が決まっています。
おそらくはかなりの高値になることが予想されますが、世界中で争奪戦になるのは間違いなしです。
イチコーヒーファンとして、ぜひとも飲んでみたいものですが、手に入れられるようになるのは、まだ少し先かもしれませんね。
機会があれば是非入手して、みなさまにもご紹介できたらと思っていますので、どうぞ(あまり期待せずに)お待ちくださいませ!

それでは良いコーヒーライフを!

次回発送予定

BEANS DELIVERY SERVICE 次回発送→ 9月23日(水)予定

毎月2回お届け!とっても便利で美味しいスペシャルティコーヒーをお届けするコーヒー豆の定期便。
店舗で販売していない豆もお届けするので、よりマニアックな内容を楽しむことができますよ♪


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