2015.11.16コーヒー豆

コーヒー豆の種類は3つのポイントで特徴が見極められる!

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生産処理ごとの特徴を知っておくと、自分好みのコーヒーを見つけやすい。

みなさんは、自分の選んだコーヒーの生産処理を意識したことがありますか?

コーヒーを産地だけで判断して選ぶ方も多くおられますが、実はこの生産処理の特徴をおさえておくと、より自分の好みに近いコーヒーを見つけることができます。今回は、日常で使えるのに、意外と知られていないコーヒー豆の生産処理の特徴とコーヒーの風味に与える影響をご紹介してみました。

この記事を書いている私自身、同じ豆でもナチュラルのものがあれば、ナチュラルの甘さに期待をしてそちらを選ぶことが多いです。ぜひ、参考にしてみてください!!

さて、少し前回の復習になりますが、コーヒーの果実“コーヒーチェリー”から、のちにコーヒーになる“生豆(なままめ)”を取り出す作業を生産処理といいます。生産処理の方法は今のところ大きく分けて3種類ありましたね。

1.コーヒーチェリーをそのまま乾かす『ナチュラル
2.コーヒーチェリーから果肉を取り除いて、乾かす『パルプトナチュラル
3.コーヒーチェリーから果肉を取り除き、しばらく水につけて洗い、乾かす『フリィウォッシュト
前回記事はこちらから:スペシャルティコーヒーとは:生産処理(前編) 〜コーヒーチェリーの構造と生産処理の関係〜

今回はこの3つの生産処理について、処理の特徴と風味の特徴を解説していきましょう。

ナチュラルは、独特のなめらかな質感と豊かな甘みが特徴

naturalsecagem de Café Mococa São |Paulo Brazil / mauroguanandi
ナチュラルのコーヒーを乾燥させている様子

コーヒーの生産処理のなかでは、もっとも古くからおこなわれていた方法です。収穫したコーヒーチェリーを選別し、果実のまま乾燥場で乾かして作ります。

ナチュラルの特徴は、コーヒーの果実に含まれている糖分やその他の成分を生豆が吸収する(といわれている)ため、質感や甘みの印象が良いものが多いことです。また、生産地によっては独特の果実感のあるフレーバーが生まれることもあります。

特にナチュラルのスペシャルティコーヒーで有名な生産国はブラジルエチオピア。ブラジルのナチュラルは全世界的にエスプレッソでの需要が高いですし、エチオピアのナチュラルコーヒーは非常にユニークなフレーバーからここ数年で人気が高まっているように感じます。

ナチュラルのコーヒーを作るときには、まずコーヒーの熟度の選別・管理が非常に重要で、さらに乾燥に時間がかかるため、乾燥状態の管理にとても気をつかいます。丁寧に管理して作られたナチュラルコーヒーには、ナチュラルでしか表現できない味があります。

現在、THE COFFEESHOPで扱っているコーヒー豆ですと、Nicaragua / Limoncillo Pacamara NaturalBrazil / Passeio をご用意しています。

パルプトナチュラルは、クリーンな爽やかさと甘さが特徴

pulped-natural1The coffee tour, La Bastilla Ecolodge / Bastilla Ecolodge
コーヒーチェリーから果肉を除去する「パルパー」、大きなもの

pulped-natural2 Timor-Leste Coffee / Janina M Pawelz
同じくパルパー、小規模生産者のもの

パルプトナチュラルは、上述のナチュラルと、後述するフリィウォッシュトの中間といえる生産処理方法です。コーヒーチェリーの果肉を「パルパー」という機械にかけて取り除いたあと、乾燥場で乾燥させる、という方法ですね。

現在ではブラジルやコスタリカで主におこなわれている生産処理で、ナチュラルよりも透明感のある爽やかさと甘さの調和したコーヒーを作ることができます。

ブラジルはこの生産処理によって、全体的に品質を向上させることができました。それは、パルプトナチュラルを作るための施設に、熟度の高いコーヒーだけを選別していく仕組みが組み込まれているからです。ある程度自動的に完熟チェリーだけを選んで処理を進めていくため、とても完成度の高いコーヒーが作られるようになったほか、今までのブラジルコーヒーのイメージを覆すようなコーヒー生産エリアが発見され、ブラジルコーヒーの進化に一役も二役も買っています。

コスタリカのパルプトナチュラルはブラジルとは少し違うところがあります。
機械にかけて果肉を取り除いたあと、もう一度別の機械にかけてパーチメント(生豆を覆う乳白色の殻)を覆っているヌメリを一定の割合で取り除く、という段階を踏むのですが、これを特に「ハニープロセス」と呼びます。ヌメリをどれくらい取り除くかで風味が異なるため、生産者それぞれの作りたいコーヒーに合わせて使い分けており、コスタリカのコーヒーの風味の多様性を生んでいる、といえます。コスタリカで生まれた方法ですが、今では他の国にもその技術が広まり、コスタリカ以外のハニープロセスのコーヒーが流通しつつあります。

現在、THE COFFEESHOPで扱っているコーヒー豆ですと、ハニープロセスのPanama / Elida Honey をご用意しています。

酸味の印象が明るいフリィウォッシュト(ウォッシュト)

washed Selva Negra – where the coffee skins are removed/washed away to the holding tanks for methane / dane brian
パーチメントコーヒーを漬けるためのタンク

フリィウォッシュト(ウォッシュト)はアフリカ、中南米で一般的な生産処理です。機械にかけてコーヒーチェリーの果肉を取り除いたあと、専用のタンクに水とともに一定時間漬けてパーチメント(生豆を覆う乳白色の殻)を覆っているヌメリを発酵させ、水路で洗い流したあとで乾燥させる方法です。

前述した2つの生産処理方法に比べると、もっとも酸味の印象が明るく出る傾向がありますね。詳しくは次の更新のときに触れますが、生産処理の過程で何段階かの選別を経るので、全ての選別過程をクリアしたトップ・オブ・トップのコーヒーは本当に素晴らしいです。

現在、THE COFFEESHOPで扱っているコーヒー豆ですと、Panama/Esmeralda GeishaHonduras / Buenas Noches Kenya/NgurueriBolivia/Teofilo Machaca をご用意しています。

まとめ

3種類の生産処理方法について触れましたが、いかがでしたでしょうか。実はこれ以外にも、派生として新しい名前の生産処理方法がいくつか開発されています。本当にスペシャルティコーヒーの世界は広く、日々進化を続けているものだなぁ、と思います。

いつかこの3種類の分類の仕方では分けられなくなるくらいに、生産地に合わせた新しい生産処理方法が生まれてくるのかもしれませんね。そう、コーヒーの生産処理は生産地の環境や気候、その他諸条件、そして生産者が作りたい味、バイヤーの求める味に応じて様々な方法を作り出したり使い分けたりする、そんな時代になりつつあるのです。

しかし、ただいろんな方法を取るというだけでは十分ではありません。やはり基本となるコーヒーの品質管理の部分がとても大事です。次回は今回説明したコーヒーの生産処理すべてに通じる、コーヒーの生産処理で非常に大事な部分をお話したいと思います。

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