妊娠期におけるコーヒー(カフェイン)との上手な付き合い方

2016.02.16


コーヒーが好きな人にとっては、妊娠中でも美味しいコーヒーを楽しみたいものです。妊婦さんは、一般的にはコーヒーがNGとされていますが、その理由はカフェインが多く含まれる飲料だから。

しかし、調べてみると、どうやらまったく飲んではダメというわけではなく、飲む量をうまくコントロールすればいいようです。妊娠期におけるコーヒーとの付き合い方について、情報をまとめてみました。

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目次

  • 妊娠期にカフェインが嫌厭(けんえん)される理由
  • 安全なカフェインの摂取量は
  • 妊婦さんはコーヒーを何杯まで飲んでいいのか
  • まとめ

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妊娠期にカフェインが嫌厭(けんえん)される理由

『妊婦さんはコーヒーを飲んじゃダメ』この理由は、コーヒーがカフェインを多く含む飲料だからです。では、なぜ妊娠期のカフェイン摂取はダメなのでしょうか?

それは、妊娠中のママが飲んだコーヒーが、胎盤を通り、胎児にまで届くためです。もちろん全部のカフェインが届いてしまうわけではありませんが、摂取した量の一部が、お腹の赤ちゃんにまで届きます。

ご存知の通り、コーヒーに含まれるカフェインは、眠気を覚ましたり、頭をすっきりさせてくれる効果があります。言い方をかえると、軽い興奮状態になる作用があります。

ママがたくさんコーヒーを飲んだ場合、お腹の中の赤ちゃんにも同じことが起きる可能性があるため、大事をとってコーヒーを嫌厭するママが多いのです。

しかし、調べてみたところ、そこまで過敏に気にすることはないようです。

安全なカフェインの摂取量は

妊娠中のカフェイン摂取について書く前に、一般的なカフェインの摂取許容量についてお伝えしたいと思います。

カフェインは過剰に摂取すると『カフェイン中毒』を引き起こします。重度の中毒症状になると、吐き気や頭痛を引き起こしますが、コーヒーやコーラなどの一般的なドリンクでここまでいくには、相当な量を飲まない限りはいきません。

一般的な成人では、1時間以内に 6.5 mg/kg 以上のカフェインを摂取した場合は約半数が、3時間以内に 17 mg/kg 以上のカフェインを摂取した場合はすべての場合に急性症状を発症する。引用:Wikipedia

カフェインの摂取許容量について、日本では明確に定められたものはありませんが、カナダ保健省では、一日に摂取していいカフェインの量を、年齢と体重によって決めています。

< カナダ保健省 一日のカフェインの摂取許容量 >
健康な成人:400mg
子ども(10〜12歳):85mg
子ども(7〜9歳):62.5mg
子ども(4〜6歳):45mg
子ども(体重での判断):体重1kgあたり2.5mg

Wikipediaの引用文と比べてみると、カナダ保健省が決めている量は、おそらく中毒症状への安全量ではなく、もっとずっと少ないカフェイン依存症への安全性を考えた量と思われます。

妊婦さんはコーヒーを何杯まで飲んでいいのか

さて、いよいよ本題ですが、妊婦さんはどのくらいカフェインを摂取して大丈夫なのでしょうか。

カナダ保健省のデータが、お腹のなかの赤ちゃんにもあてはまるのかは記載されていませんでしたが、仮に当てはめてみると、胎児の体重が1kgのとき、胎盤を通っていいカフェインの量は2.5mgまで。それを超えると安全とは言えない量になります。

妊娠初期から安定期に入るまでの、お腹の赤ちゃんがまだ小さいうちは、微量のカフェインでも気にした方が良さそうですね。

以下、妊娠期間中のカフェインの摂取許容量について、各国の基準量を見てみましょう。

< 妊娠期間の一日のカフェインの摂取許容量 >
WHO 世界保健機構:300mg
英国食品基準庁:200mg
カナダ保健省:300mg
オーストラリア保健食品安全局:300mg
内閣府食品安全委員会:未発表

最も少なく見積もっている英国基準で、コーヒーの量に換算してみます。
ドリップコーヒーに含まれるカフェインの量は、約60〜100mgです。

妊婦さんが摂取しても安全とされるカフェイン量は、
コーヒーだと
一日2杯( カフェイン量 約120〜200mg )まで。

ただし、カフェインはコーヒー以外のドリンクやお菓子などにも多く含まれており、総摂取量で200mg以下が望ましい数値となります。

例えば、板チョコ一枚には約40〜60mg、ココア一杯には約45mg、紅茶一杯には約30mgのカフェインが含まれます。(紅茶のカフェイン量は、茶葉の段階ではコーヒーよりも多いのですが、カップ一杯あたりに使う茶葉の量が少ないため、抽出後はコーヒーよりも少なくなります。)

コーヒーを楽しみながら、チョコレートも楽しんで、紅茶のシフォンケーキも…となると、カフェインの総量はあっという間に200mgをオーバーしてまいますので、ご注意ください。

まとめ

妊娠期間中のコーヒーとの付き合い方をまとめてみましたが、一日2杯までなら大丈夫ということが、海外とはいえ認められていることで、安心できた方もいると思います。

過剰に怖がらず、きちんと量をコントロールすることが大事なんですね。

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また、いくらコーヒー2杯までオッケーといっても、短時間で一気飲みするのは良くありません。短時間で多量のコーヒーを飲むと、カフェインの代謝が間に合わなくなるので、しっかりと間をあけて楽しみましょう。(カフェインの代謝が間に合わないと、赤ちゃんに届いてしまうカフェイン量が増えてしまいます。)

妊娠期間中も、美味しく楽しいコーヒーライフをお楽しみください。


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