コーヒー経済学|生豆がお店に届くまで

2016.07.10


スペシャルティコーヒーは、From seed to Cup 〜種からカップまで〜 という根本理念のもと提供される極上のコーヒーです。

農場での生産管理、豆の処理、選別、など厳しい基準をクリアしたものがスペシャルティコーヒーとして流通されるわけです。

今回の記事は、コーヒーの生豆が日本のコーヒー店に並べられるまでをご紹介します。

コーヒー経済学 生豆がお店に届くまで

目次

  • コーヒー豆の輸出が多い生産国
  • コモディティコーヒーは先物取引で値付け:産地から世界市場へ
  • スペシャルティコーヒーの値付け
  • 日本のコーヒー輸入業者の役割
  • THE COFFEESHOP への入荷

コーヒー豆の輸出が多い生産国

過去の記事でも何度か触れていますが、コーヒー豆の輸出量が多い原産国は、

ブラジル、ベトナム、コロンビア、インドネシア、エチオピア、インド、ホンジュラス、ペルー、ウガンダ、メキシコ(2014年実績で多い順)

となっています。

俗にコーヒーベルトと呼ばれる赤道付近、北回帰線と南回帰線の間の山岳部で生産されています。このエリアの山岳部での生産が多い理由は、気温が一年中安定していること。また、朝夜で温度差が大きいことが、よいコーヒーの木が育つために必要な条件なのです。

コモディティコーヒーは先物取引で値付け:産地から世界市場へ

コモディティコーヒーの生豆が輸出される際、その値付けは先物取引によって取り決められます。

コーヒー豆の先物価格は、下図を見て分かる通り、原油価格のように日々変動しています。

20160706.011

自然資源なので産地の気候条件や人為的な要因などにより、生産量や品質に差が生じます。それをそのまま価格に影響させてしまうと、世界的な値崩れを起こしてしまうリスクが高いため、先物取引の対象になっているのです。

また、コーヒー生豆の先物取引は、米ドルで行なわれます。日本に輸入される際は、円換算に直す必要があるため、円/ドルの為替相場も価格に大きく関わってきます。

(かつては日本でも東京穀物商品取引所での取引が行なわれていましたが、2013年3月に終了となりました。今ではニューヨークとロンドンでのみ取引が行なわれています。)

スペシャルティコーヒーの値付け

コモディティコーヒーは先物価格、需要と供給によって値段が変動しますが、スペシャルティコーヒーでは、品質本位な価格交渉が行われることが多々あります。

スペシャルティコーヒーは、生産者の顔が見えるかたちで、そこから日本へ届くまでの工程を徹底した管理のもとで行われています。

そして、農園と商社などのバイヤー間での取引により、コーヒーの品質に対して相応の価格が支払われております。
この場合は市場価格に影響されることはほとんどなく、良いコーヒーを作ればその分、正当な対価が得られるようになっています。

スペシャルティコーヒーの価格はコモディティコーヒーの価格に比べると高価ではありますが、
それはコーヒーの品質に対してきちんと適正な価格で買い付けがされているためです。

日本のコーヒー輸入業者の役割

日本でコーヒー豆の先物取引に近く関わる輸入業者はといえば、港に大きな倉庫を所有しているような、大規模な商社(仲買人)です。

日本の大規模なコーヒー商社の役割は、大きく2つ。『良い品質のものを適正価格で輸入』『現地での荷積みから日本への入国までの管理』です。

現地での荷積みから日本への入国までの管理

もうひとつの大事な役割ですが、シッパーと呼ばれる役割、つまり現地の出荷から日本への入荷までをしっかりと監視するという役割です。

日本に輸入されるコーヒー生豆は、輸入の前に少量のサンプルで品質をチェックし、OKとなったものを輸入手配します。しかしながら、なんらかの原因でサンプルチェックしたものと異なる豆が荷積みされ、輸入されてしまうことがあります。

20160706.014

コーヒー生豆の輸入は、コンテナ1台でも18トンというとんでもない量です。すでに買い手がついている場合、サンプルとは違うものが届いてしまっては取り返しがつきません。

そのため、現地にスタッフを配置し、しっかりと出国から入国までを監視しているのです。

THE COFFEESHOP への入荷

コーヒー商社の努力があり、ようやく日本のコーヒー店に生豆が入荷されるわけですが、我々コーヒー店と商社さんの関係はただ売り買いするだけの仲ではありません。

コーヒー店にはそれぞれお店のこだわりがあるため、特にスペシャルティコーヒーを扱う THE COFFEESHOP のような店舗では、サンプルでの品質チェックから商社の方と一緒に行なうことも珍しくありません。

(ちなみに、始めに送られてくる少量サンプルをタイプサンプル、船積み前のサンプルをプレシップサンプルと呼びます。)

THE COFFEESHOP では、自店のこだわりに合った品質のコーヒー豆と出会うまで、自社ファクトリーである ROAST WORKS で何度もサンプルの焙煎&カッピングを繰り返し、これぞスペシャルティコーヒー!!と言えるものだけを扱っています。

近日、生豆サンプルチェックの様子もレポートしたいと思いますので、お楽しみに。

ただいま取り扱っている通販用のコーヒー豆はこちら(→)クリック


SERVICE