ウォッシュトコーヒーは焙煎後の見た目で判別できる

2016.09.17


スペシャルティコーヒーの面白さは、『マイクロロット』という考え方によって、幅広いものになっています。

この考え方によって、産地の細分化が図れるだけでなく、生豆の生産処理でも生産者の腕の差を発揮することができるため、出来上がるコーヒーの味や風味に、様々な個性を持たせることが可能になっているのです。

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今回は、ナチュラルプロセスのコーヒー豆と、ウォッシュトプロセスのコーヒー豆の、見た目と味の違いに触れてみたいと思います。

目次

  • 写真で見る|焙煎豆に現れる生産処理の違い
  • 同じ産地でも生産処理が異なると味もかなり変わる
  • まとめ

生産処理については、前回の記事を参考にしてください。
→ シングルオリジンの可能性|コーヒー豆の生産処理(精製)

写真で見る|焙煎豆に現れる生産処理の違い

今回は生産処理による違いを目で見てみましょう。

下の写真は、どちらも ROAST WORKS で焙煎したエチオピア産のコーヒー豆です。

エチオピア ナチュラル

エチオピア ウォッシュト

今回の内容とはそれますが、エチオピアのコーヒーは原生種(野生種)とされ、その数は数千種類あるといわれています。そのため、同じ農園から採取したコーヒーでも、豆の大きさにばらつきがあることが特徴になっています。

さて、写真ですが、二つの違いお分かりになるでしょうか。

上は、【 エチオピア – シャキソ・ナチュラル 】で、下が【 エチオピア – イルガチェフ・ゲデブ・フリィウォッシュト 】です。ウォッシュトプロセスの豆は、真ん中が白いですよね。

一粒ずつ並べて見てみましょう。

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左側が【 エチオピア – イルガチェフ・ゲデブ・フリィウォッシュト 】です。センターカット(コーヒー豆の真ん中の割れ目)に白い繊維質が残っているのがわかります。

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割ってみるとこんな感じです。

これはシルバースキンと呼ばれる、コーヒー豆を覆っている薄皮の残りです。覆っている部分は、生産処理の段階で剥がれ落ちますが、センターカットに挟まった部分は残ります。

このシルバースキンですが、ウォッシュトプロセスの豆の場合、焙煎後にも白く残り、ナチュラルプロセスの豆は、焙煎中に焼けてなくなってしまうことがほとんどです。

この差が何故生じるのかはわかりませんが、ウォッシュトプロセスを見分ける際は、センターカットに残った繊維質の色を見れば、見分けが付くということです。

同じ産地でも生産処理が異なると味もかなり変わる

コーヒーの味や風味を決める要因には、もちろん焙煎の仕方や抽出の仕方もありますが、生豆の持つポテンシャルも大きく影響します。さらには、収穫後の生産処理の方が大きく影響しています。

今回紹介した2つの銘柄は、同じエチオピア産ですが、生産処理が異なることで、キャラクターの違うコーヒーになっています。

【 エチオピア – シャキソ・ナチュラル 】
ベリーフレーバーと、ナチュラルならではの芳醇な香りが特徴。

【 エチオピア – イルガチェフ・ゲデフ・フリィウォッシュト 】
フローラルやレモンの爽やかなフレーバーと、ウォッシュトならではのクリーンカップが特徴。

まとめ

こうして写真で違いを見てみると、生産処理の差がとても分かりやすいですね。実は焙煎中にもちょっとした違いがあるので、これはまた後ほどご紹介できればと思います。

味の違いはぜひご自身の感覚で感じてみてください。スペシャルティコーヒーを楽しむ際は、生産処理で豆を選んでみるのも面白いのではないでしょうか。

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