フレンチプレス抽出時間の重要性|おうちコーヒーをもっと美味しく

2017.09.18


もっとも安定感のある抽出で、コーヒー豆本来の味を楽しむことができる『フレンチプレス』。今回は、フレンチプレスで美味しく淹れるために欠かせない『時間をはかる』ということについて、触れていきたいと思います。

フレンチプレス

フレンチプレスとは

フレンチプレスは、抽出の際に動きの癖が反映されにくく、分量と時間さえ守れば誰が淹れても同じ味に仕上がる優れた器具です。

ハンドドリップに比べて、コーヒーオイル微粉が出やすいため、それによる好みはありますが、THE COFFEESHOP では『本日のコーヒー』の抽出にも使っており、美味しい豆の味をダイレクトに味わっていただけます。

コーヒーの抽出で大事な要素は『豆量』『湯量』『時間』『挽き目』

THE COFFEESHOP で推奨しているフレンチプレスでの抽出レシピはこちらをご覧ください。
→ How to Brew フレンチプレス|コーヒー淹れ方ガイド

上記リンク記事より、フレンチプレスでの抽出において大切な4つの要素をあらためてご紹介します。この4つをきちんと数字で管理することで、誰が淹れても安定して美味しいコーヒーを作るころができます。

  • コーヒー豆の量
  • お湯の量
  • 抽出時間
  • コーヒー豆の挽き目

コーヒー豆の量とお湯の量は、出来上がるコーヒーの濃さと関係があり、豆が多いまたはお湯が少なければコーヒーの味は濃くなり、逆であれば味は薄くなります。

コーヒー豆の挽き目に関しては、以前の検証記事で触れていますので、参考にしてしてみてください。
→ 検証|コーヒー豆の挽き目とコーヒーの味の関係とは

『時間』が変わると味も風味も変化する

さて、では本題である『抽出時間』について検証していきたいと思います。

THE COFFEESHOP のフレンチプレス推奨レシピでは、抽出時間は4分を適正時間としています。今回の検証は、4分なのかということを証明するための実験でもあります。

<実験内容>
『挽き目』『豆量』『湯量』の3要素を固定し、『時間』のみを3パターンで抽出し、出来上がったコーヒーの味と風味を検証する。使用豆はケニア-カイナムイ。

時間はお湯の注ぎ始めからタイマーをスタート。タイマーがなったらプランジャーを押します。

THE COFFEESHOP 推奨レシピの時間である 4分 と、そこから前後1分ずつずらした 3分5分 で検証しました。

結果はこちら

抽出時間3分(推奨時間マイナス1分):

酸味…あまり感じられない
甘さ…あまり感じられない
後味…すぐに終わる
質感…水っぽい
香り…ほのかなベリー系の香り
苦味…あまり感じない

抽出時間4分(推奨時間):

酸味…心地よいグレープのような酸味
甘さ…ブラウンシュガーのような甘さ
後味…心地よく長く続く
質感…とろみのある質感
香り…華やかでしっかりとした香り
苦味…ほどよい

抽出時間5分(推奨時間プラス1分):

酸味…心地よいグレープのような酸味
甘さ…感じるが弱め
後味…やや渋みが残る
質感…良くもなく悪くもない
香り…華やかでしっかりとした香り
苦味…後味に残る

フレンチプレスでの抽出の場合、上記の通り、時間が1分短いと抽出がされず、逆に1分長い分には大きく味がずれることがないという結果になりました。3分での抽出は、コーヒーというより、コーヒー風味のお湯のような状態でした。

ハンドドリップでの検証と異なった点は、抽出時間が25%長い条件では、味が大きくずれることがないという点。これは、フレンチプレスの抽出方法である『浸漬法』であるからと言えます。

ある一定以上は飽和状態になり、粉が動くなど刺激がない場合は、それ以上余分なものが抽出されなくなるため、このような結果になります。

コーヒーのオイル分

↑ フレンチプレス抽出の象徴とも言える『オイル分』の差は、3条件とも変わりありませんでした。にも関わらず、質感に違いが感じられたということは、オイル分以外の要因があると言えます。

その他の複合要素は

『豆量』『時間』『湯量』『挽き目』以外にも、フレンチプレス抽出のコーヒーの味を決める複合的要素は無数に存在します。

例えば水の違いですが、硬度によって仕上がりが大きく変わることが以前の検証でわかっています。
→ 水が違うとコーヒーの味も変わるのか?硬度別で比較してみた

その他、お湯の温度や気温、カップの形状や材質なども、味を変化させる要素になります。

まとめ

フレンチの抽出における抽出時間の重要性、お分りいただけたでしょうか。とはいえ、フレンチプレスの場合は、抽出時間が多少長くなってしまったとしても嫌な味にはなりませんので、ハンドドリップほどのシビアさは不要ですね。

↑ 抽出時間によって、コーヒーの色味にも変化はありませんでした。色味やオイル分としては見えない成分の抽出量が、時間によって異なるのであろうと考察できます。

もちろん時間だけがコーヒーの味を決めているわけではなく、『挽き目』『豆量』『湯量』『時間』が揃ってはじめて完成となりますので、ご自宅で淹れる際は、ぜひこの4つの要素をきちんと管理して、美味しいコーヒーを楽しんでください。

また、4分という時間は、あくまでも THE COFFEESHOP が推奨しているレシピでの適正時間になります。豆の挽き目や、その他の条件が異なる場合は、適正となる時間も変わるためご注意ください。(店舗では挽き目サンプルの提供もしておりますので、お気軽にお声かけください。)

今回検証に使用したコーヒー豆および現在販売中のラインナップは、
こちら→ コーヒー豆販売ページ をご覧ください。

合わせて読みたい記事
→ コーヒープレスの使い方|おすすめ3タイプの特徴や違いについて(フレンチプレス、エアロプレス、アメリカンプレス)


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