検証|コーヒー豆の挽き目とコーヒーの味の関係とは

2017.05.18


コーヒー豆を購入されたお客様から多く寄せられる質問の一つに、どのくらいの挽き目で挽いたらいいのか?というものがあります。『これくらい』とお答えできればいいのですが、なかなか文章や写真でお伝えするのは難しいものです。

それでもやはり適正な挽き目で淹れていただきたい。なぜならこんなにも味が違うからなんです!!

実験|コーヒー豆の挽き目を3つのサイズで味比べ

今回の実験はとってもシンプル。同一の豆を挽き目違いで3種類用意し、同じ抽出方法で淹れて、味と風味を比べてみました。

使用したコーヒー豆:
ブラジル プログレッソ
中煎り後半。香ばしくバランスの良い風味と滑らかな質感を持つブラジルのパルプトナチュラル。
フレーバーは、チョコレートやアーモンド、クローブ。
柑橘系のマイルドなアシディティと、チョコレートのような甘さが後味にほのかに感じられます。

使用したグラインダー(ミル)は、【ditting swiss KR-804 】。ペーパードリップでの適正値としている挽き目と、その前後2メモリを用意しました。

  • 粗挽き:適正値+2
  • 適正値
  • 細挽き:適正値−2

(参考:THE COFFEESHOP では、ペーパー用の適正値を上記マシンの 6.5 としていますが、同じマシンを使用した場合でも必ずブレがあるため、その数値が必ず適正になるわけではありません。)

抽出方法:
ハンドドリップ(ペーパーフィルター)で抽出。
使用ドリッパーは、ハリオV60
抽出レシピ → How to Brew ペーパードリップ|コーヒー淹れ方ガイド

3サイズの挽き豆を同じように抽出し、出来上がったコーヒーをテイスティングしていきます。

実験結果|同じコーヒーでも挽き目で大きく変化

出来上がったコーヒーを、以下5項目で評価しました。

  • 香り
  • 酸味
  • 苦味
  • 甘さ
  • 後味

結果は下図のとおりです。

グラフの表現として、質なのか量なのかという表現が統一できないので、以下コメントを合わせて考察していきます。

適正値で挽いたコーヒー

酸味と甘さ、苦味のバランスが一番良く感じられます。後味にしっかり甘さが残り、心地よく終わるという印象です。

挽き目を変えた他の2つよりわかりやすく高評価なのは、甘さ、後味、香りです。特に後味は長く続くだけでなく、心地よく感じることが特徴的です。

適正値よりも粗く挽いたコーヒー

味がうまく出ていませんでした。スッキリし過ぎていて、これといった特徴がないため、スペシャルティコーヒーなのにもったいない!という印象です。

ネガティブな味は出ていないので、不味くて飲めないというわけではありませんが、後味もすぐに終わってしまい続きません。

適正値よりも細かく挽いたコーヒー

苦味が主体的になり、後味に渋みが強く残ります。そのため苦味は5と評価しましたが、ビターチョコのような良質な苦味ではなく、濃度の強さから来る質の悪い苦味として感じます。

細かく挽いたことで豆の表面積が大きくなっていることに加え、抽出の時の湯通りの悪さも、このような結果になる原因と言えます。

まとめ|コーヒー豆の挽き目を【適正値】にするには

挽き目が変わるだけでも、出来上がるコーヒーのイメージは大きく変化します。今回の検証で、適正な挽き目で淹れることがどれだけ重要かおわかりいただけたかと思います。

最後に、適正な挽き目の導き出し方をお伝えしたいのですが、これはもう同じように実験してみていただけるのが一番かと思います。同じ豆、同じ淹れ方で、挽き目のみを変える。出来上がったコーヒーを上記と同じように評価してみてください。

薄いなと感じたら・・・
挽き目が粗いので、少し細かくしましょう。

苦い、渋いと感じたら・・・
挽き目が細かいので、少し粗くしましょう。

厄介なことにミルによっても数値設定が異なりますから、ミル買い替えの度にこうした検証をしていくことをオススメします。数値に頼らず、ご自分の感覚で適正値がわかるようになるといいですね。

また、今回はペーパードリップにて検証を行いましたが、フレンチプレスなどの他の抽出器具を用いた場合でも、適正な挽き目で淹れることは重要となります。器具毎に適正値は異なりますので、こちらも要実験で。

どんどん深堀りしていく楽しみがあるのがスペシャルティコーヒーですから、どんどん楽しんでくださいね。


THE COFFEESHOP では、こんなことが知りたい!こんな実験をしてほしい!などのご要望を承っております。

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