スペシャルティコーヒーのブレンドを作るということ

2017.07.10


THE COFFEESHOP では、季節やイベントに合わせて様々なブレンドコーヒーを作製しています。今回の記事は、ロースタリーでのブレンディングの様子ともに、THE COFFEESHOP でのブレンドの考えた方をお伝えしていきます。

スペシャルティコーヒーにおけるブレンドとは

まず、以前のエントリーで一度まとめていますが、改めてスペシャルティコーヒーにおけるブレンドの考え方についておさらいしていきます。

ブレンドコーヒーとは

市販のコーヒー豆は、単一銘柄で販売されるものと、複数の産地や銘柄を混ぜて販売されるものがあります。

ブレンドコーヒーは後者にあたり、産地や銘柄が混ざってますという意味で THE COFFEESHOP では【ミックスオリジン】とも呼んでいます。

単一銘柄では出せないオリジナルの味を表現することが可能なため、お店によってそれぞれの”お店の味”を作れることが魅力です。

スペシャルティコーヒーのブレンド

コーヒー豆は、品質によってグレードがつけられており、スペシャルティグレードはその最上位に位置します。そのため流通量も少なく、世界中で取り合いになる豆もあるほど。

そのコーヒー豆をブレンドするということは、コーヒーのさらなる可能性の追求でもあり、より個性豊かな表現が可能になる作業なのです。

合わせて読みたい
→ スペシャルティコーヒーの世界における『ブレンド』の考え方

コーヒーブレンディングの基本

ブレンドコーヒーを作る工程は、そのタイミングの違いで以下2種類の方法があります。

プレミックス:
生豆の状態でブレンドを行い、まとめて焙煎する方法。
まとめて焼くので、豆色が均一になりやすい。
焙煎が一回なので手間が少なく、大量生産向き。

アフターミックス:
焙煎豆にしてからブレンドする方法。
各銘柄それぞれにあった焙煎方法が使用できる。
手間がかかるので、少量生産向き。

THE COFFEESHOP では、アフターミックスでブレンドを行っています。

THE COFFEESHOP でのブレンディング

さて、ではここからは THE COFFEESHOP のロースタリー ROAST WORKS でのブレンディングの工程をご紹介していきます。

1、コンセプトを決める

THE COFFEESHOP では、常時販売しているダークミックス&ライトミックスの他、お店企画の季節商品や、お客様からのご依頼でブレンドコーヒーの作製を行っています。

そのスタートは、まずコンセプトを決めてイメージをきちんと作ること。

ロースター成澤コメント:
『コンセプトが決まった状態から、実際に飲む場所や時間など、そのコーヒーの楽しみ方についてしっかりイメージ作りをします。そこから例えば【酸味は丸めに】とか【アフターテイストを長めに】などと、コーヒー作りのキーワードに落とし込んでいきます。』

1−1、コンセプト決め:
例えば【サラダを食べた後のコーヒー】や【クレープに合うコーヒー】などフードとのペアリングや、【仕事の合間のホッと一息タイムのコーヒー】などシチュエーションとのペアリングがあります。

1−2、イメージ作り
コンセプトが決まったら、イメージづくりです。ここではさらに具体的な【飲む時間】や【飲む人】【飲む場所】などを想像していきます。

1−3、キーワード
イメージに合わせて【酸味】【後味】【フレーバー】などのキーワードを決め、どのコーヒー豆をブレンドに使用するかを選定していきます。

この工程で、ベースの豆をなににするのか、アクセントに入れる豆はなにがいいのか、などを具体的に決めていきます。

2、カッピングでテスト

ブレンディングする豆が決まったら、続いてカッピングにて実際に味を確認していきます。

カッピングについてはこちらの記事を参照
→ コーヒーの評価方法|カッピングってなに?

カッピング用に抽出した状態で混ぜてみることで、様々な割合のブレンドを試すことができます。

スプーンを使って1:1にしてみたり、2:1にしてみたり、3:2にしてみたり。この工程で適正なブレンド比率を決めていきます。

3、焙煎豆をブレンド

カッピングにてブレンド比率が決まったら、続いて豆の状態でブレンドを作っていきます。

ブレンドした豆を再度カッピングして、イメージ通りになっていれば完成です。

まとめ

今回は ROAST WORKS で実際にブレンドしている様子をお届けしましたが、ブレンディング自体は特別な装置や機材が必要な作業ではありません。

焙煎豆をブレンドするアフターミックスであれば、みなさまのご自宅でも簡単に試していただけるものです。

また次の機会に、ご自宅でブレンドコーヒーを作る方法についてお伝えしたいと思います。

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